第8話
「昏さ、が無くなってきた、ということは、カウンセリングを受ける前は、昏かった、ということ、ですか。」
早口でもなく、かといって遅くもない、耳に心地良いリズム。抑揚。
「そう、ですね。闇、とまでは言いませんが、イメージ的には『昏い』ですね。」
「今は、その『昏い』が無くなった、のですね。」
問い詰める、でもなく、責める感じでもなく、タクヤの放つ言葉を肯定するかのように、彼は言葉をなぞる。
彼の発する言葉のイントネーションに抑揚がないわけではないが、穏やかなリズムだ。
耳に心地良いアルトの声音と、独特のリズムと。その所為なのかタクヤは、月島のカウンセリングを受けているときはいつも、徐々に頭がぼんやりしてしまう感があった。
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