第2話

見やった先の月島は、涼やかな薄茶色の瞳でタクヤを見ている。

タクヤから見る月島は、30歳前後の自分とは年齢的にはそう変わりがないように見える。姿形は中肉中背で、タクヤと立って並ぶと身長もそう変わりはないので、170センチを越えるか越えないかくらいだ。顔立ちは整っているとは思うが、アイドルのような甘いマスクではない。けれどもとても柔らかな雰囲気を纏っており、異性からも同性からもモテる部類ではないだろうか。

月島からの問いかけに、

「いえ。もうそろそろ終わりかなって、思っていましたので。」

タクヤはそのように答える。

これまでのカウンセリングの内容の変化から、そろそろ終了かと予測していたのは本当のところだ。

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