アポロの不安
「おや、エリーゼ、あんたのロボットはご機嫌ななめだね。反抗期?」
ミヤビがニヤニヤしながら言う。
「は、反抗期だなんて、そんなことは……」
アポロは反論しようとして、途中でやめた。そんなことはない、という弁解に、偽りを感じたからだ。
最近、アポロはなんだか胸のあたりがむかむかして、まわりに当たらずにいられなかった。イネスにも突っかかってしまう。アポロ自身、どうしてこんな気持ちになるのか、分からなかった。
ミヤビとイネスが去ると同時に、ロボットを買いたいというお客がやってきて、エリーゼは対応に忙しくなった。アポロは忙しいエリーゼに代わって、奥でメンテナンスを終えたロボットがちゃんと動くかチェックしに行く。
エリーゼが母親からこの店を受け継いで、それからずっと、アポロはエリーゼとともにこの店を守ってきた。
それなのに。
もしかしたら、もうすぐ、自分は。
店が終わったころ、アポロはめずらしく一体で飲みに出かけることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます