第27話 (10/12) 見習いの熱い解説💦
見習いが説明を続ける。
「逆に、元々すごい生命力があって社会的にも成功している人が、その人にとって二十パーセントくらいの気持ちしか出さず、自分本位な考えで生きていたとします。その絶対値は子供の何十倍もの強さなのですが、天界からのサポートはほとんど得られません。共鳴すらしないので、そんな生活をしていると、いずれその人の運命は下降線をたどるでしょう」
ショウは自分の若い頃を思い出し反省する。
(僕は五十パーセントくらいだったかな)
「ちなみに社会的な成功とか高収入等は、天界から見れば何の意味もありません。それよりもつらい思い、悲しい思いをしている人の方が遥かに重要な存在です。彼らは常日頃精一杯耐えてがんばっており、高い影響力を天界に及ぼしています。そんな状態の人には天界も最大限のサポートができます」
見習いの解説は、ますます熱が帯びてきた。
「それをもってしても叶わぬ運命もありますが、少なくとも耐えている間は毎日天界側でそれを救おうと絶え間のない戦いを一緒にしているのです。それが本人に伝わらないのが非常に残念です」
見習いによると、地上の人は困難に耐えて、チャンスを掴むように工夫をする。天界側は、それに呼応して毎回困難の改善策を練り上げて実行する。地上、天界でスクラムのような対応をしているそうだ。
「わかった。要するにうまく人生を進むためには私たち霊の戦略だけでなく、本人の耐える気持ち、強い心が必要という事ね」
サラが自分の最初の人生を思い浮かべながら言った。するとショウがそれに付け加える。
「加えて本人がチャンスを得るために工夫を自らすること。これで運命が共鳴する。あきらめたり、怠惰に流されないようにするんだね」
「天界と本人とは私がうまく橋渡しします」
フェリンが言った。
「みんなで連携していきましょう。その都度計画もちゃんと練って」
「一回限りだからな」
「まだいろいろ教えないといけないことがありますが、それはおいおいお伝えしていきます」
見習いの女性はにっこりと笑った。
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