第4話『イスとテーブルを作ってもらおう!』


 家に到着とうちゃくし中に入る。


「ほぇ~、ここが島王様の家ですか」

「ちょっと、小さいかもしれないが、いい家だぞ?」

「そうですね。いい家だと思います」

「そうだろ? よし、じゃあ、中に入ろう」


 俺は彼女を家に入れた。なんというか、ちょっと緊張きんちょうする。

 別に彼女にやましい事をしようとか考えていない。純粋に、家を紹介したいと思った。


「素敵ですねぇ~」

「まだ、島に来たばかりだからな。何もない」

「私が家具を作りましょうか?」

「作れるのか?」

「はい、作れますよ? 私、小さい頃から家具を作っていたので、得意です」

「おお、ぜひ作ってみてくれ!」

「何を作って欲しいですか?」

「そうだな……」


『まずは、木で出来たイスとテーブルを作ってもらいましょう』


 神田島さんのアドバイスを聞いて、俺は頷く。


「よし、じゃあ、木で出来た、イスとテーブルを作ってもらおう」

「わかりました。では、さっそく作りますね」

「おう!」


 彼女は魔術の一つである、アイテムボックスが扱えるらしく、道具や素材をひょいひょい、取り出す。


便利びんりだな。アイテムボックス」

「クロウ様もあつかえると思いますよ?」

『真地様も扱えます』

「マジで!?」

 

 俺は神田島さんの説明を聞く。


『まずは、ホーム画面がめんオープンととなえて下さい』

「ホーム画面オープン」


 すると、画面が現れた。

 おお! なんというか、未来的だな!

 俺は画面を操作。

 光っている箇所かしょをタップし、操作そうさ


「おっ! これがアイテムボックスか! どれどれ?」


 何か入っているぞ。


「薬草に、水筒、寝袋、たき火、大工道具、調理道具、簡易便器――」


 結構けっこう、いろいろあるな。

 俺はしばらく、画面を操作し、内容ないよう把握はあくする。


出来できた!」

「お、何か出来たか!?」

「イスです!」

「おお、イスか!」


 見てみると、背もたれがないが、立派りっぱなイスであった。


「すごいな!」

 こんな短時間で作れるとは、すごいな!


「魔術を使いましたからね、早く出来るんですよ。じゃあテーブルも作りますね」

 彼女は笑顔で説明し、テーブルに取りかかる。


『彼女にお礼にプレゼントをあげましょう』

「プレゼントか……」

『特別に、プレゼントを用意しました。アイテムボックスを見てください』

「どれどれ?」


 俺は画面を操作。


『ケーキです。これをあげると、キャラの好感度が上がります』

「おう、そうなのか」


 まるでギャルゲーだな。


「ルチア」

「何でしょう?」

「これ、お礼だ」

「わぁ!」

 皿にのったケーキを渡した。

 いちごのショートケーキである。

「いいんですか?」

「いいぞ」

「では、テーブルが出来上がったら、食べますね~♪」

「わかった」


 俺は、彼女がテーブルを作り終えるまで、お茶の用意をする事にした。


「お茶は、ないのか?」

『ここから、北の方にお茶畑はありますが、今日はめときましょう』

「え? 何で?」

『なぜなら、紅茶を作るにはんだ後、萎凋いちょうし、じゅうねん―――乾燥など多くの工程が必要です。魔術で出来ますが。真地様の魔術レベルでは困難。紅茶ではなく、果物のジュースを作る事をオススメします』


「なるほどな、紅茶を作るのは、今の俺では、まだ早いという事か」

 神田島さんのすすめ通り、果物のジュースを作る事にした。


『果樹園で果物を収穫し、ジュースを作りましょう!』


「おう!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る