第2話『家を設置しよう!』


『では、小さな木造の家をプレゼントします』


 神田島さんがそう言うと、ポンッとふくろあらわれ地面に落ちた。


『その中に、小さな木造もくぞうの家が入っています。建てたい場所に設置してみて下さい』


「わかりました」


 俺は袋の中から、小さな木造の家を取り出す。

 バースデーケーキくらいの大きさの家の模型が入っていた。


「これ、ですか?」


『それを、建てたい場所に設置し、《リリース(解放)》と唱えると、小さな木造の家は巨大化し、住宅になります』


「おお!! それって超、便利じゃないですか!! 俺がいた現実世界にあったら、すごく売れますよ!!」


『そうでしょうね。その技術だけで億万長者なれます』


「億、いや、兆ぐらいかせげると思います」


 まあ、俺には商売の才能はないので、そこまで稼げないと思うが。


『それでは、設置して見てください』

「はい!」


 俺は、川から7分くらいの場所に家を建てる事にした。

 川が氾濫はんらんしたら、大変な事になるが。本当は、もうちょっと離れた方がいいし、高台とかに設置した方がいいが、まあ、大丈夫だろう。


『おそらく、大丈夫だと思います』


 神田島さんも、とりあえず、大丈夫だと言ってくれた。


「《リリース(解放)》」


 すると、魔法円がブワッと浮き出て輝き、設置した家がみるみる、大きくなった。


「すげぇ!!」


 まさに、ファンタジーだ! どういった、仕組みなんだろ??

 てか、小さな木造の家というから、もっと小さいと思ったら、普通に大きいぞ。

 俺の実家より一回り小さいが、普通に大きい。


『では、中に入って見て下さい』


「はい!」


 俺はさっそく、中に入る。


「おおぉ――!」


 家具や置物は一切、ない。

 部屋は結構、広かったし新築のように綺麗だ。

 俺は部屋を、見回す。

 茶色を基調とした、洋風で落ち着いた内装である。 


『どうでしょうか?』


 俺はアイススケーターのように、クルリと回転。

 それから、両手を広げ、ポーズを取る。


「最高です!!」

 

 てか、俺の住んでいた1LDKのアパートより広いじゃないか。


『それは良かったです』


 そして、俺は神田島さんのススメで、食料調達する事になった。

 西の方に行くと、果樹園があるらしい。そこで、自由に果物を取って食べていいらしい。俺は行ってみる事にした。

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