第7話 久々の手合わせ
「そうか、何とかなったんだな」
「ん、寝ている時に確認したけど、問題はなさそう」
次の日、クロナから開拓についての報告を受ける。
何とかクロナで開拓を成功させたようで一安心した。
「僕は心配だから、しばらくこもる」
「うん、頼んだよ」
開拓の後で痛みが急激に襲ったりするので、クロナには彼女の観察をお願いすることにした。
「レイルぅ~」
外に出て歩いていると、ミリネが遠くからバカでかい声で呼びかけながらこちらに走り寄ってくる。
朝から元気だなぁ~。
「おはよう、ミリネ」
「ねぇねぇ、レイルって今暇!?」
「今日は特に何もないよ」
「なら、私と久しぶりに剣の稽古をしてくれない!?」
「稽古か、うんやろうか」
最近実践ばっかりで稽古などしてなかったから丁度いい。
「やった!! じゃあ稽古場で待ってるね!!」
「やるぞ~!!」っと嬉しそうに駆けていった。
一緒に行けばいいのに。
「久しぶりだなぁ~、レイルと勝負するの」
そう言って彼女は木剣を渡してくる。
僕専用に作り出した木剣だ。
僕らはそれぞれの得物を模した木剣を使っている。
彼女は二種類、剣盾と二つの短剣だ。
今回は両手短剣で僕と戦うようだ。
剣盾は巨大かつ強大な魔物の盾でクロナを守る等の戦い方で双剣は単体相手の暗殺等を行う場合は双剣で行う。
僕は魔法「視」を発動する。
視は動体視力を何倍にも跳ね上げる魔法だ。
ミリネに悪いが、負けたくないので使わせてもらう。
「今日こそは勝つ!!」
一瞬で僕の間合いを掌握してくる。
速いが直線的すぎる、まだまだだな。
彼女の攻撃をかわしながら観察する。
戦闘で最も必要な事は状況把握と観察だ。
相手の癖や攻撃から観察することで攻撃をある程度行動を予測でき、予想外でも対応が可能となるからだ。
彼女の攻撃を受け続けると、少しずつだが疲れが見えてきた。
真っ直ぐに洗練され過ぎての弊害だ。
少しずつ崩されると、気づかないうちに体力が消耗するのだ。
「足元、お留守だよ」
そうして必死になりすぎて周りの見えていないミリネの足元を崩すと完全に体勢を崩し尻餅をつく。
「イタタタ……」
「勝負ありかな?」
おしりをさすりながら痛そうにしているミリネにそういうと、涙目で悔しそうにしていた。
「も、もう一回!!」
「あぁ、何度でもこい」
負けず嫌いの彼女だ、このままじゃ夕方まで止まらないだろう。
「今日も勝てなかったぁ~!!」
ミリネは悔しそうにその場に座り込んでいた。
流石に何度もやっていると、僕も少し疲れが見えてきた。
体力が落ちてるのではない、彼女の体力が日に日に上がっているのだ。
「もう夕方かぁ、そろそろ帰ろっか」
「だな」
「ねぇねぇ、今日もご飯食べてくでしょ?」
ユナの様子も見に行きたいし、何よりミリネの料理は美味しいので食べたい。
「今日はクーヤさんが魚をたくさん取ってくるらしいから塩焼きとか刺身、他にう~ん、何作ろうかなぁ~!!」
クーヤさんとはミリネの剣技の師匠だ。
剣においては僕でさえ彼女の足元にも及ばない。
実際何度かやり取りをしているが、彼女の剣は魔法有りの戦闘でさえ圧倒されるほどの洗練されたものだ。
二つ名は開眼斬首、普段は修行の一環として目を閉じているクーヤさんではあるが金色の瞳を相手に見せた瞬間、首が落ちているといわれている。
「久しぶりに師匠も来るし、ミラさんも来るから二人とも喜ぶよおぉ~」
ミラさんはクロナの師匠で、魔法においてはクロナと同じ全属適性で、錬成等もA以上という化物で剣のクーヤ、魔のミラと言われ、剣魔の双極と村で語られている。
「リィンさんも誘ったんだけど、来ないって」
「だろうね」
リィンさんはクーヤさんとミラさんの元パーティー仲間で聖魔法の使い手の女性だ。
薬品の生成や色んな薬を作るのに特化している錬成魔法の使い手で、僕もよくお世話になっている。
基本的にリィンさんは1人でいるのが好きで、わいわいと皆でいるのがあまり好きではない人間だ。
「来てほしかったなぁ~、久しぶりに皆集合だからさぁ~」
皆か……師匠が居たら皆、集まっただろうな。
彼女達のまとめ役で道を作った恩人らしいので彼が居れば揃ったに違いない。
いや、集まるというより無理矢理集まらせるというのが正しいかな。
ミリネは鼻歌を歌いながら楽しそうにしている。
師匠と話せるのがうれしいんだな。
ミリネはクーヤさんの事が大好きで話せるのがうれしいのだ。
彼女は普段は子供達の稽古や任務で中々会えないので、久しぶりに会話できるのが嬉しいのだろう
帰宅すると、クロナが蒼髪の女性ミラさんといがみ合っていた。
何があったか大体想像できる。
クロナを揶揄って反撃を喰らったミラさんが怒って互いに激情したとそんな感じだろう。
「師匠~!!」
師匠の顔を見るなり、ミリネはクロナ達を押しのけ彼女に抱き着く。
「おっと、久しぶりだねミリネ、元気そうで何よりだ」
受け止め優しそうに彼女の頭を撫でながら金色の瞳で彼女を優しく見つめた。
「師匠!! 久しぶり!!」
「嬉しいのは分かるけど、飛び込むのはやめような。 私だからいいけど、他の人だと怪我するからね」
「わかった!!」
絶対わかってないな。
「師匠、今日泊まってく!?」
「あぁ、その予定ではあるかな」
「だったら今日は一緒に寝よ!!」
「あぁ、いいなか、何とかなったんだな」
「ん、寝ている時に確認したけど、問題はなさそう」
次の日、クロナから開拓についての報告を受ける。
何とかクロナで開拓を成功させたようで一安心した。
「僕は心配だから、しばらくこもる」
「うん、頼んだよ」
開拓の後で痛みが急激に襲ったりするので、クロナには彼女の観察をお願いすることにした。
「レイルぅ~」
外に出て歩いていると、ミリネが遠くからバカでかい声で呼びかけながらこちらに走り寄ってくる。
朝から元気だなぁ~。
「おはよう、ミリネ」
「ねぇねぇ、レイルって今暇!?」
「今日は特に何もないよ」
「なら、私と久しぶりに剣の稽古をしてくれない!?」
「稽古か、うんやろうか」
最近実践ばっかりで稽古などしてなかったから丁度いい。
「やった!! じゃあ稽古場で待ってるね!!」
「やるぞ~!!」っと嬉しそうに駆けていった。
一緒に行けばいいのに。
「久しぶりだなぁ~、レイルと勝負するの」
そう言って彼女は木剣を渡してくる。
僕専用に作り出した木剣だ。
僕らはそれぞれの得物を模した木剣を使っている。
彼女は二種類、剣盾と二つの短剣だ。
今回は両手短剣で僕と戦うようだ。
剣盾は巨大かつ強大な魔物の盾でクロナを守る等の戦い方で双剣は単体相手の暗殺等を行う場合は双剣で行う。
「今日こそは勝つ!!」
一瞬で僕の間合いを掌握してくる。
速いが直線的すぎる、まだまだだな。
彼女の攻撃をかわしながら観察する。
戦闘で最も必要な事は状況把握と観察だ。
相手の癖や攻撃から観察することで攻撃をある程度行動を予測でき、予想外でも対応が可能となるからだ。
彼女の攻撃を受け続けると、少しずつだが疲れが見えてきた。
真っ直ぐに洗練され過ぎての弊害だ。
少しずつ崩されると、気づかないうちに体力が消耗するのだ。
「足元、お留守だよ」
そうして必死になりすぎて周りの見えていないミリネの足元を崩すと完全に体勢を崩し尻餅をつく。
「イタタタ……」
「勝負ありかな?」
おしりをさすりながら痛そうにしているミリネにそういうと、涙目で悔しそうにしていた。
「も、もう一回!!」
「あぁ、何度でもこい」
負けず嫌いの彼女だ、このままじゃ夕方まで止まらないだろう。
「今日も勝てなかったぁ~!!」
ミリネは悔しそうにその場に座り込んでいた。
流石に何度もやっていると、僕も少し疲れが見えてきた。
体力が落ちてるのではない、彼女の体力が日に日に上がっているのだ。
「もう夕方かぁ、そろそろ帰ろっか」
「だな」
「ねぇねぇ、今日もご飯食べてくでしょ?」
ユナの様子も見に行きたいし、何よりミリネの料理は美味しいので食べたい。
「今日はクーヤさんが魚をたくさん取ってくるらしいから塩焼きとか刺身、他にう~ん、何作ろうかなぁ~!!」
クーヤさんとはミリネの剣技の師匠だ。
剣においては僕でさえ彼女の足元にも及ばない。
実際何度かやり取りをしているが、彼女の剣は魔法有りの戦闘でさえ圧倒されるほどの洗練されたものだ。
二つ名は開眼斬首、普段は修行の一環として目を閉じているクーヤさんではあるが金色の瞳を相手に見せた瞬間、首が落ちているといわれている。
「久しぶりに師匠も来るし、ミラさんも来るから二人とも喜ぶよおぉ~」
ミラさんはクロナの師匠で、魔法においてはクロナと同じ全属適性で、錬成等もA以上という化物で剣のクーヤ、魔のミラと言われ、剣魔の双極と村で語られている。
「リィンさんも誘ったんだけど、来ないって」
「だろうね」
リィンさんはクーヤさんとミラさんの元パーティー仲間で聖魔法の使い手の女性だ。
薬品の生成や色んな薬を作るのに特化している錬成魔法の使い手で、僕もよくお世話になっている。
基本的にリィンさんは1人でいるのが好きで、わいわいと皆でいるのがあまり好きではない人間だ。
「来てほしかったなぁ~、久しぶりに皆集合だからさぁ~」
皆か……師匠が居たら皆、集まっただろうな。
彼女達のまとめ役で道を作った恩人らしいので彼が居れば揃ったに違いない。
いや、集まるというより無理矢理集まらせるというのが正しいかな。
ミリネは鼻歌を歌いながら楽しそうにしている。
師匠と話せるのがうれしいんだな。
ミリネはクーヤさんの事が大好きで話せるのがうれしいのだ。
彼女は普段は子供達の稽古や任務で中々会えないので、久しぶりに会話できるのが嬉しいのだろう。
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