アエリアに質問があります。答えてくれるかはまた別で

「では、『アエリア』さま」

「うむ…うむ、イツキ。呼び捨てで構わないぞ。

家名は名乗っているが、ほぼ公爵家を出た身。

ただの騎士に、敬称など不要だ」


凄い人格者。

ホント昨日の幼女と同一人物とは思えないほどだ。


『イツキ、結局なにがどうなっているんだい』

『呪いって?』


さっきの彼女のセリフが気になった気になったコメントが散見する。


「日記1冊につき1歳分の内容が」

「わぁー、言うな。イツキ」


『アエリア』は、急に立ち上がり俺の口を塞ぐ。


『日記1冊につき1歳…つまり、好きな所で停めれる』

『え、ロリ止めができるだと』

『取得じゃなくて、使用ってことでしょ』


見る見る『アエリア』の顔が赤くなる。

俺の口を塞いでももう手遅れだろう。


「あー、さて話を変えましょうか。

昨日手に入れたお邸の設置に行きましょう」

「うむ」


俺は、テーブル・チェア、ベッドを全てアイテムボックスに仕舞う。

ただの砂浜になった。


「えっと、『アエリア』さ…どこらへんに立てましょうか」

「もう少し地面が平らな所がよいだろう」

「では、もう少し…あの森に近いほうへ向かいましょう」


此処が島だとして…無人島といっているから島なのだろうけど。

まともな地図も存在しない。

まずは、拠点を作るべきだろう。

それが、公爵家のお邸になると思う。

砂浜から見て北西?から北東?へとどうみても木々が生い茂った森が見えている。

ただ、俺の思っているそれが『北』で合っているのかはわからないから暫定的な北である。

取り敢えず、上が北ってことで。

差し当たり、海が南。

太陽の向きで分かるかもと思ったが太陽が見当たらない。

昨日は、確かに朝から夜へと変化するのは見たのだが。

それは、空の色彩の変化のみだった。


「イツキ。君は戦えるのか?」

「え?俺は…多分無理ですね」

「ならば、私が前を歩こう」


昨日試してみたが、俺は武器の装備と言うものができなかった。

つまり、プレイヤーは内政しか行えない可能性がある。

ちなみに、解体ナイフも俺が使う事の出来ないものだった。

スキルの書物も俺が使う事の出来ないものだった。

たぶん、これはキャラクターのスキルの強化アイテムなのだろう。

あとで、『アエリア』に細剣のスキル書を渡そう。


『『アエリア』さま、かっけー』

『ほ、惚れてまうやろ』

『ああ、あの背中に護られたい…変わって、イツキ』

『はぁ、お姉さま』


前を歩く『アエリア』の耳が真っ赤である。

リスナーの無垢…邪な願望が無垢な『アエリア』を襲っている。

だが…いいぞ。もっとやれと思う俺もまた汚れているな。

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