丗五 毒損



 ひどく大食いの人がいた。

 ある人が、彼をさとして言う。


「あまり飯を食べすぎるのは良くないぞ。

 不意に米が必要になったとき、米の在庫がなくなっていたら大損だろう?

 それに、食って健康に良いのなら食うのもよかろうが、実際は飯は大毒なんだ」


「米が損で毒だって? 誰にそんなデタラメを吹き込まれたんだ?」


「お釈迦様の教えだよ。

 『天上てんじょう天下てんげいい毒損どくそん』ってな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る