丗 オオカミどし生まれ
あるところに、いささか偏屈な老人がいた。
年齢をひた隠しにしていて、「何歳?」と問われても絶対に言わないのだ。
そこで、ある男が一計を案じた。
「
と、世間話を装って、指折り数えてみせる。
「えーと、
ところでご老人、あなたは
老人は、自分も果報のある人に含まれているというのが嬉しくて、つい口を滑らせてしまった。
「ワシも
かかった! と男はほくそ笑み、すぐさま歳を数えた。
「じゃ、あんたは64歳だね!」
あ、やられた! と後悔しても後の祭り。あんなに隠していた年齢を、あっさり知られてしまったのだった。
このとき騙されたのがよほど悔しかったのだろうか、また別の席で「
「ワシは
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