廿四 言い方



 ある家で、僧侶や俗人を呼び集めて慇懃いんぎんとき(仏事)を催した。


 その席で、とある老僧が檀家に尋ねた。

「今朝の追善供養は、ご親族のどなたのものなのですか?」


 檀家が答える。

「妹の婿むこしゅうとの命日です」


 単に『親の命日』と言えばいいのに……

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