第2話 無謀チャレンジ(NG:小学校で習った漢字)

「ぶちょうぶちょう。きょうのNGワードはむずかしいです。ぜんぶひらがなになります」

「……そうね、むずかしいわね。でも、くふうしてよみやすくするのよ」


 むちゃぶりすぎるおだいに、たばたが駄々を捏ねる。

 たたらはフッとわらって、ノートパソコンのまえにすわった。


「俺のなまえなんて、ひともじものこらないんすよ」

「ゆうだい、の悠の字はのこるわよ。よかったわね」


「ぶちょうはぜんぶのこるじゃないですか……。鑪も麗も華も、しょうがっこうじゃならわない……」

「そうね。びっくりよね。かくすうおおくて、ちいさい頃はじぶんのなまえが凄く嫌いだった。しゅうじのじかんがね……嫌だったな」


 たばたはポカンとした。

 鑪のフルネームをてもとのかみにかこうとして、


「えっと……鑪って、なにへんでしたっけ」

「かねへんのみぎに、とらがしら、そのしたにたんぼのたのじ、そのしたにさらをかくのよ」

「……むりっす。ひらがなじゃ、ぜんぜんあたまにはいんない」


「かんじは偉だいね……。ひらがなだけでもくとうてんでくぎればあるていどいみはりかいできるけれど、かんじをつかうことでしかくからすぐにないようがよみとれるのだから凄いのよ。わたしたちにほんじんのしきじりつがむかしからたかいのは、かんじとひらがなを併ようしていたからかもしれないわね」


 そこまで鑪がいうと、たばたはめをパチパチしばたたかせた。


「ぶちょう、なんもあたまにはいってこないっす」

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