第16話 誕生日回①
「「「冬人、夏美お誕生日おめでとう!!」」」「「冬人くん、夏美ちゃんお誕生日おめでとう!!」」
今日は俺と夏美の誕生日です。
ハッピーバースデー。
今は、親族の何人かとお友達の凛ちゃんと葵ちゃんと2人のお母様方、夏美のお友達と彼女達のお母様方がいらっしゃいます。たぶん、彼女たちの姉妹もいるのかな?
こうしてみても、男性がいない。ここで、男女比がおかしい世界だと再確認。決して、そういう世界だという事を忘れていたから今更アピールしたわけでは断じてない。
話は戻るが、自分としては、去年みたいに数人でわいわいするのかと思っていたけれど、今年はかなり大規模な誕生会となった。ここ、『誕生日回』と『誕生日会』をかけております。なかなかに高度なボケで見逃してしまった人もいるんじゃないだろうか。これはしかたない。あまりにも高度すぎた。
そして何を隠そう、今回の誕生会は、おばあちゃんがかなり関わっているからこそ、ここまで大掛かりなのもあるが、ソラを親族の方に紹介という名目もあるらしい。まぁ、結婚して……て、まだ、俺の年齢が規準を満たしてないから一般的にはしてないのだけど、俺の中では、もうしています。反論は受け付けておりません。
結婚してこの家族の1員となっているので早いことに越した事はないだろうという考えらしいと母上が、俺にはちょっと難しいだろうけどって教えてくださいました。俺としては、ソラの外堀を埋めてる気がして最高。
「冬人、もう5歳だね」
「うん」
「早いものだ」
何やら、おばあちゃんが感傷に浸っているようだ。この5年早かったすよね。あっという間っすよね。俺もそう思いまする。
「あぁぁだ!!」
「夏美も、2歳おめでとう」
「うだ!」
「ふふ。ご機嫌ね」
「だね」
俺とお母さんとおばあちゃんは、夏美に視線を向けていた。夏美はいつもと違う、雰囲気、場所にあてられたのか興奮して雄叫びを上げており、なかなかにご機嫌な様子。椅子から下ろしたらどこかに今にも飛び出して行きそうだ。
そう言えば、ソラはどこだろう。
「ねぇねぇ。ソラは?」
「ソラちゃんは、今お着替えしてもらってるわよ」
「冬人、楽しいにしておくんだよ」
えええええええええ!!!
マジっすか!! え!?
マジ?
もう、見る前からかわいい。ありがとうございます!
俺の嫁さんかわいすぎるやろ(フライング) 何着てくるんだろう。バニー? バニーだよね? バニー? なわけないか。チャイナドレスもいいし、敢えての書生服も捨てがたい。メイド服? シンプルにタキシードでもいいぞ。正直、ソラは何着せても似合う。という事は、逆に考えれば、何も着なければどうだ。……素晴らしいに決まっているだろぉぉぉぉ!!!
ワクワクが止まんねえぞ。
◇◇◇
しばらくして、ソラが出てきた。
「旦那、待たせたな」
「……」
「どうした、その不満そうな顔は」
まさかのよくあるパーティードレスときたか。正直、ガッカリしたかと言えばイエス。そもそもの問題、ソラのかわいさをこの服が補いきれてない。もっといいのがあるだろうに。かわいいけどさ。
「かわいいけどさー、ソラのかわいさを補いきれてない気がする」
「か、かわいいか……。そうか」
あ、照れた。チョロ。じゃなくて、チェンジだチェンジ! もっとかわいい服にしやがれ!! てやんでいべらぼうめい。
「旦那、今日は旦那と夏美が主役の日じゃ。なら、わしもそこまで目立つわけにもいかんからな。旦那は、たぶん着て欲しいのあったかもしれぬが、今日は我慢せい。………ふ、2人きりの時なら、べ、別に着てやらん事もないぞ………」
「よ、よっしゃああああああああああああああ!!!!!!」
「う、うるさいわい!!」
これは叫ばずにいられるだろうか。否、いられない。
もちろん、しっかり録音しておいたので、後で無しとか言ってきても大丈夫です。ここサムズアップ。
しかし、ナイス判断。たまたま偶然、奇跡的にも、何故かポケットに録音する機械があるとわな。人生わからないものですね。
「冬人くんなのー!!」「冬人くーん!!」
先頭をただ今、通過したのは赤組なのなの選手です。その後を必死に追いかける白組ゆるふわっち選手。白熱したデッドヒートが今ここに! さぁ、己の全身全霊をかけて走れ走るんだ!!
先頭変わらず、今! 今、ゴールしたのは赤組! 赤組だぁぁぁぁ!! さぁ、なのなの選手、優勝のご感想をお願いします。
「冬人くん、お誕生日おめでとうなの!! ……っ!! こ、この人が!!」
「待って、葵ちゃん。あのね。早いよ! ふ、冬人くんお誕生日おめでとう」
「凛ちゃん葵ちゃんありがとう」
「「えへへへ」」
あ、嬉しそう。しかし、家族じゃない他人におめでとうなんて言われたのいつ以来だろう。ちょっと嬉しいな。何故か、ソラに背中から周りには見えないように、お腹の横らへんをつねられた。『嫉妬嫉妬?』という意をこめた目線を送ると、今度は軽めのチョップをいただきました。
「「………」」
しまった。ジーッと見られている。ソラは最初から気づいていたようで、俺をみてから明らかにわかるくらいのため息をついた。べ、別に、2人のこと忘れてたわけじゃないんだからね。
とまぁ、そんな事置いておいて本当にどうしようか。困ったな。そうだ。困った時のソラえもんがいるじゃないか。助けて、ソラえもん。
そんなアホな事を考えているとソラも何か思った事があるのか2人を連れて俺から離れていく。俺はソラと一緒にいる義務があるので後ろを着いていくと邪魔そうに『しっしっ』とあしらわれてしまった。
かなりショックで、涙の湖すら今の俺なら作ることが出来る気もするが、それを食欲に換算するために何か食べるものを取りに行く事にした。
そして思った事なんだが、俺自身やはり目立つというか、めちゃくちゃ視線を感じる。なんだか、著名人になったかのように錯覚してしまっても仕方ないと思う。
◇◇◇
その頃、ソラ達は……
「えっとじゃな、確か、凛ちゃんと葵ちゃんだったか?」
「「………」」
幼女2人から、ジーッと見られると流石のソラでも居心地が悪いというか気まずくなってしまう。しかし、自分から声をかけた手前逃げるわけにもいかず、どうしたものかと少し困っていた。こういうときに、冬人がいれば何も考えなくてもよかっただろうが、一応は冬人が元凶のようなので、遠ざけている。
「あー。なんじゃ。えーっとのう。何か言ってくれはせんかのう?」
「……あのね。お姉さんは、何?」「葵も葵も気になるの!」
「……あー。えーっと」
まさか、こんなにも早くこの話題を切り出されるとは予想だにしていなかったため、かなり困惑してしまう。しかも、この子達は、冬人が好きな様子。まぁ、まだ子供のようなのでlove的な好きとはちょっと違うかもしれないが、それでも好きなようなので、そんな相手に自分達の関係をどう伝えるのが1番いいのか迷っていた。
「2人とも、落ち着いて聞くんじゃよ。えーっとじゃな、わしと冬人は、恋仲というかのう、夫婦というか。まぁ、そんな感じじゃな……」
と、チラリと2人を見たが理解できているのか出来ていないのかわからないような、ポカンとした顔をしていた。正直に伝えすぎたかと焦ったが、いずれ知る事になるのだから、早めに知らせておべきだと、ソラの中で無理矢理納得していた。
「ま、まぁ。なんじゃが、えーっと、2人は、冬人の事は好きかへ?」
「「うん」」
ちょっと……いや、かなり嬉しかった。自分の好きな者が他人からもここまで好かれているのであればソラとて嬉しくなる。まぁ、ソラ自身は冬人に言う気はないようだが。調子乗るからのうと思い出して笑ってしまっている。
「2人にも、いずれわしは冬人のお嫁さんになって欲しいと思っておるんじゃが、大丈夫か?」
「「うん」」
「葵、冬人くんと結婚するの!」「えっとね! えっとね! 私もしたい!!」
「そうかそうか。わしも2人とは仲良くしありたいし、サポートもしようではないか!」
「「サポート?」」
「あー。えーっとじゃな、お母さんのお手伝いはした事はあるか?」
「「ある!」」
「そうかそうか。2人は偉いのう。あれを、2人がお母さんにするのではなく、わしが2人にするんじゃよ?」
「「わかった!」」
2人はとても聞き分けが良くてソラとしても助かると思っていた。がしかし、2人と話していて気になったのが、やはり冬人が2人とも結婚を拒否していた事だ。いやそうか、こんな優しい2人だからこそ、蔑ろにしかねない事が嫌じゃったのかとソラはすぐさま納得した。
「今、話した事は3人だけの秘密じゃぞ?」
「うん」「もちろんなの」
冬人には秘密という事で、今日はキリがついた。何かあればソラの方からこれからもコンタクトを取るつもりだろう。
2人には、旦那を支えれるくらい旦那とも親身になって欲しいもんじゃ。いずれ、わしがいなくなったとしても……。
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モチベがなくなって読み専に戻ろうかと思い、他の方の小説を読みました。
自分のはテンポ悪いなとか、文章力無いなって痛感させられてよりモチベが...
とりあえずの策でだいたい1日ごとになるように何話かずつを1話に凝縮しました。ちょっと変わったり、付け加えたりしているところもあるので読み返していただけたら嬉しいです。
コメントもしてくださった方には申し訳ありませんが、こういうわけでちょっと削除させていただきました。
またコメントしてくださると大変嬉しいです。モチベになりますので♡と⭐︎をお願いします。
男女比世界で惰眠は貪れますか? たいおあげ @tai3939
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