第44話

「冬人、ソラさんご飯出来たから運ぶの手伝ってー」


「うん」「了解したぞ」


「あぁ!」


「夏美はもう少し大きくなってからねー」


「あだぁ!!」



 うちの夏美たんは聞き分けが良い子でお兄たんは大変嬉しおす。ようここまで育ってくんさいました。ありがとおす。

 夏美たんは、ソラに手を引かれて食卓の自分の席までよちよちと……俺を殺す気ですかいな? これは1種の宗教画でしてよ。こんな光景が目の前に広がっているとは圧倒的感謝の意をここに。アーメン。



「……ゆと、冬人、これお願い」


「うん」



 やべべのべ。周りが見えてなかったでござんす。拙者、迂闊でござんした。尊きものに意識を向けすぎて周りが見えなくなってた侍と申しますで候。

 さと、俺が運ぶのはお汁。ちゃんとお盆に乗せられておりアフターケアも至れり尽くせり。直触りなら、『あっち』とか言ってそこら辺が大惨事。冬人くんの大変珍しいやっちまった顔をお届けする事になっていました。



「旦那、ありがとうのう。わしが机に並べておく」


「うん」



 後はソラに任せるという事で、お汁を取ってもらって机に置いてもらった。俺じゃあ、若干机に届かないので仕方なく。ソラの方がまだ身長は高い。まぁ、『まだ』だけどね。見た感じ、ソラは150後半くらいはあるのかな。でっかいのにちっちゃい。身長がね。やっぱ今は見上げるような高さだから。でも一般的に考えたら小さい方だし。

 あ、決してソラの1部分に向けていったわけではない。というか、ソラのそこは未発達だけど、大きすぎずかといって小さすぎずといったちょうどいい塩梅になっております。正直めっちゃ好みなサイズ。

 おぉっと、ここでソラからのレッドカード。冬人くんは退場とのことです。ありがとうございました!!



「旦那、丸わかりじゃからな」


「何のことやら」


「白々しいわ」


「さーせん」



 母さんに聞こえないよう配慮をしつつしっかりと怒らました。心から反省しております。セクハラダメ絶対。みなさんも気をつけましょう。

 夏美たんが専用イスに座りながらこちらをガン見しております。やめて、その精神攻撃。結構ダメージ入るやつ。

 何を考えてるかわからないし、何も考えてないのかもしれないけど地味に高威力の視線でしたね。

 解説の冬人さん。

 ええ。全くですよ。

 司会の冬人さん。


 さてさて、準備は整った。飯の時間。さぁ、心を込めて『いただきます』



「いただきます」


「「いただきます」」「あだぁ!」



 うんまうまうまうんまうまむ……おぉっと。それ以上はいけない。

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