第40話

 先程から、妙な空気だ。だがしかし、先程から、気づいていないふりをして来たが、今のソラが積極的なのである。

 俺の身体に尻尾を擦り付けてくるというか、俺の背中にソラの背中を押しつけてくるというか。俺からしたら嬉しい事この上ないけど、どういう心境なんだろう。ソラちょっとツンデレみたいなところあるし、聞いても素直に応えてはくれないんだろうな。



「ソラさんやソラさんや」


「なんじゃ?」


「尻尾触っていい?」


「ふぇ!? だ、ダメじゃ」



 どうやら無意識にしていたらしい。尻尾に注意を向けさせてさりげなく気づかせる気遣いできる旦那心。我ながら天晴れ。

 しかしここで終わらないのが冬人くんクオリティー。



「で、どんな心境?」



 とまぁ、全てをダメにしてしまうのです。これさえなかったら完璧だったのにねー。



「っ!! な、何でもないのじゃ」


「ふーん。てっきり俺の身体から他の女性の匂いがしたからそれが嫌だったのかなぁと」


「っ!! ち、違うわい!! ふん」



 どうやら合ってたらしい。俺の嫁さんが大変わかりやすくて助かる。二重の意味で。

 しかし、先程の威厳ある姿はどこへ行ったのやら。これではまるで別人ではないか。まぁぶっちゃけどちらのソラも甲乙つけ難くはある。つまりどちらもいいね!



「ねぇねぇ」


「な、なんじゃ?」


「朝言ってた、何でもきいてくれるやつ今頼んでもいい?」


「べ、別に構わんが自重はしてくれよ、旦那よ」


「もち。じゃあさ、じゃあさ、一緒に晩御飯のデザート作ろうよ」


「ふむ。よかろう。じゃが、案外まともじゃな? もう少しヤバめかと思ってたのに」


「もう少しヤバめがよかったの? なら、そうするけど。仕方ないね。ソラの頼みなら」


「違うわ!」


「いで」



 怒られました。というわけで、デザート作りをしたいと思います。パフェ何てどうだろう。



「パフェ作ろっか?」


「ぱふぇとはなんじゃ?」


「知らないの?」


「うむ」


「コップにフルーツやらゼリーやら生クリームやらフレークやらアイスが入ったやつかな」


「???」


「生クリームとかアイスもしかしてわからなかったり?」


「面目ない」


「そうかそうか。ちょっと待ってね」



 うちにタブレットやら調べれる物がないか探す事にした。音声入力できる機能がある事が1番好ましくはあるが、ネットを使って調べれるだけでも恩の字だ。

 嫁さんは、字を識別しっかりとは出来なさそうだから画像でちゃんと覚えて欲しい。


 あったあった。

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