第38話
「冬人くん、えっとね。えっとね。……何かあったの?」
「葵もそう思うの! 今日の冬人くんおかしいの! 元からおかしいけど今日はもっとおかしいの!」
「ナニモナイヨー」
やっば。一瞬でバレたんだけど。ところで葵さんや。罵倒は良くありませんよ? 違和感なく忍び込ませようとしてるが、思いっきりバレてるからね?
「ううん。おかしいの!! 葵は誤魔化せないの!!」
「あのね。私も葵ちゃんと同じだよ」
「フタリトモキョウハオカシイヨ」
「何言ってるの!! 冬人くんがおかしいの!!」
あのですね、葵さんや。前文が無ければその発言ただの罵倒やさかい。気いつけてな。
さてさて、別に俺は悪いことなどしてないのだ。なのに、何故こんなに追い詰められているのだろう。不思議でしょうがない。これは不思議な国へとご招待されても仕方がない案件。
しかし、わざわざ言うようなことでもないし、と言うか、言わなくてもいいし。問題はどうこの場をおさめるべきか。
「冬人くんは馬鹿なの!! 葵たちに秘密を隠せると思ったら大間違いなの!! 悔い改めろなの!!」
ちょっとー、葵ちゃんに言葉教えてるの誰?
普通、4歳児とかはこんな事言わないよね。あー、女児向けアニメとかの影響かな。あるある。小さい頃は、何でも真似したくなるよね。魔法少女系とかのアニメだろうか。もしかして、首とぶやつちゅうよね? ひええ。前いた世界とそっくりそのままではないだろうけどね。たぶん、かなり男性が美化されていると見なくても間違いないと思う。
今度、夏美たんとソラと一緒に見てみよー。
「2人とも、冬人くんが困っているからそれくらいにしておきましょう」
ナイス先生。物思いにふけっていたらまさかのまさかの先生からの救いの一手。まさかこのような展開になろうとは。さすがの『智略の巨匠(自称)』と名高い冬人くんでもこの一手は思いつきませんでした。完敗です。
「「はーい……」」
渋々ながらも2人はあっさり手を引いていった。しかし、2人は明らかに納得をしていない様子。これは問題を先延ばしにしただけで、根本的な問題の解決へとはいたっていない。まだ安心は出来ないぞ冬人氏。
しかしだ。保育園に来たはいいものの何をすればいいのか。前と言っても、保育園には両手で数えれるほどしか行ってはいないが、保育園でどうやって過ごしていたのかわからない。生憎、今は室内で遊ぶ時間らしい。
お絵描きは馬鹿にされるので、プライドの高い冬人くんはNGとなっております。
積み木? ブロック? 何すりゃいいんじゃ。
ソラの事妄想にふけりゃいいの?
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