第37話
「いーやだぁ!!」
「こら、冬人わがまま言わない!」
「そうじゃぞ、旦那。義母上様の事はちゃんと聞くんじゃ」
俺には今味方がいない。
そう、今日は保育園の日です。前までは凄く楽しみにしていました。それはそれは、楽しみにしていました。だがしかし、状況が変わったんです。
そう、ソラという大事な大事なパートナーができました。そんな彼女を置いて保育園に行けると? 否。行けるわけがない。むしろ、50メートル離れたら俺が瀕死に陥いる。ぶっちゃけ、依存しているともいうが、仕方ないのだ。ソラがあまりにもかわいすぎるのだから。
「旦那よ、そんなに義母上様に迷惑をかけるのなら嫌いになってしまうぞ?」
「な!?」
俺は真っ白に燃え尽きた。ソラに嫌われたら生きていけない。そうだ。死のう!
「待て待て待て! 今日はとりあえず大人しくゆけ。わしも今日は予定があって家を留守にさせてもらう。帰ってきたら、膝枕でも何でもしてやるから」
「な、何でもだと……!? 行ってきます」
「ふ、冬人待ってー!!」
俺は疾風のごとくかけだした。早く保育園へと行くために。どんな困難が待ち受けようと必ずや、保育園へと着くために。待ってろ、保育園。そして、ソラにあんな事やこんな事を。ぐへへへへ。
「旦那ー!! わしができる範囲でかつこちらには拒否権がある事を忘れるでないぞー!!」
釘を刺されました。ちくしょう。
膝枕したり、一緒にフルーツ使ってパフェ作ったりしたかったのに!!
あれー? いかがわしい事かと思った? ねえねえ? 思ったよね!! だが、残念。我、4歳児ぞ。普通に犯罪すからそこら辺は弁えてくだされ。この世界にそんな法律あるか知らないけどさ。それに4歳児なんだから性欲ないでしょ。いやでも、恋愛感情はあるわけだし性欲はあるのか? そもそも恋愛感情って性欲なのかな。
「ふ、冬人、待っててば!」
「うん」
とりあえず、肩で息をしている母さんを待つ事にした。よくよく考えたら、母さんが迎えに来るまで帰れないわけだしあんまり早く行ったところでどうしようもない。あー、早くソラに会いたい。
あ、そういえば、嫁が出来たことを保育園の子は知らないんだ。どうしようね。明らかに好意を向けてくる子もいるわけだし、泣かないかな?
流石に保育園児を泣かせて喜ぶほど根性は腐ってない。回避できるなら回避したい。
いや、考えたら別に言う必要はないのか。でも、態度でバレたりするかな? そういうの女の子は敏感っていうし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます