第36話

「なんじゃー!! このフルーツの量は!! 天国じゃ!!」


「あだぁ!!」


「……ぐはっ」



 よ、嫁さんがかわいすぎt……


 やばいよやばい。何これ。やばいよ。嫁さんのかわいさが天元突破してるって。軽く死人量産できるんだが?

 それに夏美たんまでソラの真似して叫んでる。こっちはこっちでかわいいな。

 ヨメサンマジカワイスギ。



「冬人! 冬人! すごいぞ! これすごいぞ!!」



 ソラの方が絶対凄い事になってます。おばあちゃんと母さんの前だから4歳児ぽく見える演技しないといけないんだけど、ソラがかわいすぎてそれどころじゃない。

 おばあちゃんと母さんはソラを生暖かい目で見守っている。当の本人は気づいてないけど。どんだけ、フルーツに気を取られているのやら。



「あー!!!!!!」


「な、なんじゃ?」


「どうかしたかい?」


「冬人どうしかした?」


「う、ううん。何でもない」



 俺は気づいてしまった。先に言わせてもらうよ。最高かよ。

 そう。嫁さんは後で絶対悶えます。かわいい事この上なし。今、多少幼児退行している嫁さん。後になって冷静になってみたら、あら不思議。赤面まっしぐら。かわいすぎかよ。

 しかし、おばあちゃんやり過ぎ。誰がトラック1個分持ってこいゆうた。さすがに来た時はドン引きしたし、おばあちゃんが、母さんに説教されてるのを遠目で見てしまった。あれは見たくなかった。唯一、ソラは意味が分からずフルーツ見ながら頭の上にハテナマーク沢山生やしてたね。あれはあれで場が和んだよ。

 要するにカオスというわけ。恋のしもべというわけではないですとも。



「冬人! これわしが! わしが全部食べても良いのか!!」


「違う違う違う」


「違うのか?」



 ここで、ソラに腹ペコキャラ追加しなくてもいいって。かわいいけどさ。



「みんなで食べましょう」


「そ、そうじゃな。失礼したぞ、義母上様」


「そうね。今、娘と食べる準備してくるわ。ソラさんは何が食べたい?」


「義祖母様こんなにも感謝致すのじゃ。そうじゃのう、ぶどうとスイカにりんごをわしは食べたい!」


「わかったわ。ソラちゃん、冬人と夏美と待っててね」


「あ、手伝うのじゃ」


「そう。助かるわ」



 ソラはおばあちゃんと母さんと一緒に台所へと向かう。俺と夏美たんは足手まといなので大人しく待っています。そう、俺には夏美たんの面倒を見ないといけない仕事があるし、夏美たんには俺の面倒を見ないといけない仕事があるから仕方ない。

 嫁さんが、自分の家族と仲良くしてるってのはむず痒くはあるものの嬉しくはある。今のところ関係は良好みたい。

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