第31話

「……」


「じゃあ、結婚しましょうか」


「……」


「嫌なんですか?」


「いや……嫌とは言ってはおらぬが」


「なら良いじゃないですか」


「じゃが」


「じゃが?」


「まずそもそもの問題として種族が違うじゃろ」


「愛さえあればそんなの些細な事です」


「それに歳だって」


「愛さえあればそんなの些細な事です」


「それにわしおぬしのこと知らぬし、おぬしには、あまりいいイメージが無いというか」


「愛さえ「じゃかましいわ!」」


「とにかくじゃ、やはりわしは反対じゃ!」


「えー何でー!」


「あまりにも歳が離れすぎておるし、やはりわしはおぬしとは合わん気がする」


「ソラちゃんって何さ」



 あ、ビンタされた。イッタ……くないや? あれ? あれれれ?



「いったー! 何じゃおぬしの身体! 硬すぎぬか!? とても幼児の身体とは思えぬぞ!?」


「ふっ。油断しましたね!」


「戯言は良いからわけを話さんか!」


「それが、心当たりが、まったk……あ」


「なんじゃ?」


「あー、ここで伏線回収か。あのカミサマ馬鹿じゃないの」


「カミサマ?」


「あー、こっちの話です」


「気になるんじゃが……」


「つまり結婚したいというわけですね!」


「だから何故そうなる!?」


「いやだって、この話すると先程の話に繋がるわけで間接的にも直接的にも俺との結婚は確定事項となりますよ?」


「…うわー」


「ちょ、やめてくださいよ、そのガチのドン引き。ある意味傷つかないけどある意味傷つくんですよ」


「もう良い「いやいや、結婚しましょうって!」」


「だから、しつこい。あー、もうわかったわい。話せ、結婚してやるから話せ!」


「いえーい!!」



 しつこい男は嫌われるというけど、1周回って勝利。災い転じて福となすとはこの事よ。え? 使い方違うって? いいよ、いいよ、そんなこまけぇこった。

 俺は今とにかくハッピー。幸せ。最高。ウルトラマックス。



「じゃあ、順を追って話すねー」




◇◇◇


「なるほどのう、じゃから幼児らしくない言葉遣いと振る舞いなわけじゃな。全部合点がいったわい」


「やったね。超レアな人種なわけよ。これはソラちゃんの旦那さんとしてピッタリ!」


「……はぁ。さすがにおぬしと四六時中一緒は嫌じゃからな。わしの平穏が害される」


「いやいや、何を言いますか! 四六時中一緒! べったりイチャイチャ!」


「はぁ……。何でこやつに一瞬でも気を許してしまったのじゃろう」


「残念だったね! ソラちゃん!」


「ほんとうにガッカリで残念じゃよ」



 そう口にしながらも顔は笑っていた。

 この人が俺のお嫁さんだと思うと嬉しくてしょうがない。きっと、いや、俺の願望だけど、彼女も同じ気持ちであって欲しい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛&葵「私の方が先に好きだった!」「葵が先に好きだったの!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る