第21話

「何が、じゃないの! 話聞くの!」


「えっとね、お話し聞いて欲しい!」


「は、はい!」



 お、おう。案外行けた。ただ、怖いなぁ。何というか、圧? こおなんとも言えない、見えないんだけど見えて来るというか。

 ま、まさかこれが第6感!? まさかのこのタイミングで、才能開花させちゃうか。ごめんね、天才で(笑)



「聞いてるの!」


「は、はい!」



 こ、こえー。はい。聞いてますとも。冬人氏、耳をしっかり傾けておりますとも。全身全霊聞いていますとも。ええ。

 にしても、4歳児とは思えないくらい雰囲気というか圧というか。まじなんなん?

 まさか、この世界の女の子みんなこんな感じ?

 え、小説とか漫画とかでよくある性欲旺盛とかじゃなくて、女尊男卑みたいな? いやでも、男性へのサービスが充実してるわけだし、女尊男尊か。あ、結局平等で元の世界とは変わんないのか。



「冬人くん、聞いてないの!」


「す、すみません」


「謝ってないでちゃんと聞くの!」


「冬人くん、聞いてね?」


「は、はい!」



 あれれ? 葵ちゃんは、まぁ態度に出てるから怒ってるぽいのはわかってはいるけど、凛ちゃんどした? その笑顔怖いよ? ね? やめようよ、その顔。すんごい怖いよ? 



「冬人くんは、どっちとお話ししたいの?」


「あのね。私だよね?」


「凛ちゃん」



 すんません。凛ちゃんには逆らえません。はっきり言って怖いっす。まぁ、圧が無かろうとも凛ちゃんがいいけど。



「なんで、なんで葵はだめなの?」



 あのですね。凛ちゃんや、そのドヤ顔まじやめてくれ。葵ちゃんの泣きそうな顔も相まって罪悪感とかほんとやばいから。



「えっとね。冬人くんは、私のだからだよ」



 あのですね。凛ちゃんや、嘘はやめてくだされ。ほんと、手に負えなくなりやす。

 あと、冬人くんは冬人くんのです。異論は認めません。



「あー……えっと、俺は葵ちゃんともお話ししたいよ?」


「……っ! そうなの! そうなの! やったーなの!!」



 あー、なんか、女を誑かすクズみたいなセリフ吐いてり気がする。なんかやだなぁ。

 今は葵ちゃんが、笑顔に戻ったからいっか。

 さて、問題は凛ちゃん。ほっぺを膨らましております。やっぱ4歳児はこおじゃないとな。歳相応の反応をしてくれて嬉しいよ。さて凛ちゃんの機嫌取らないと。いや、この場合は、喧嘩両成敗。エクスカリバー!



「いーや! 冬人くんは私の!」


「違うの! 冬人くんは、みんなのなの! 凛ちゃんばっかりずるいの!」


「あははは……」



 もうやだなぁ。振り出しに戻ったよ。

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