第18話
「じゃあ、行こっか」
「うん」
「にぃに!」
「夏美も一緒だよ」
「だぁ!」
嬉しそう嬉しそう。
そうです。今日は保育園の日ですとも。ええ。
そして、言ってなかったけど、夏美たんもお外に慣れるためにたまーに。ほんとうにたまーに、保育園に行ってます。
俺がスイカ組で、夏美たんはパパイヤ組。
ざっと下から、さくらんぼ組(0〜1歳)、パパイヤ組(1〜2歳)、ぶどう組(2〜3歳)、みかん組(3〜4歳)、スイカ組(4〜5歳)、梨組(5〜6歳)という感じかなぁ。
実は実は夏美たんと俺は誕生日が同じなので、ピッタリ3歳差なのであるぞ。えっへん。
誕生日の時なんかお兄さんと一緒にろうそくの火を『ふぅー』するもんね? 夏美たん。ま、妄想なんだけど。だって、前回の誕生日の時はまだ夏美たんがケーキ食べれなくて『ふぅー』一緒に出来なかったんですもの。悲しいですわね。全く。しくしく。
先程から、夏美たんは、母上の腕の中におさまりながらお兄たんを見てらっしゃる。それはまじまじと。あ、あのね? な、夏美さんや、そんなに見られますと、照れてしまうであろう?
「夏美は、お兄ちゃんが気になるのかなぁ?」
「にぃに! お手手!」
「夏美も、お兄ちゃんと手が繋ぎたいんだって」
「うん。夏美、手を繋ごっか」
コクリと頷いてくれる。
どうやら、母さんと手を繋いでたのが羨ましかったらしい。かわいいやつめこのこ……ぐふっ!
な、なんだ、急に心臓部への強い負荷が!?
ま、まさかこの俺が可愛いさに押しつぶされようとしているだと!?
うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
や、やめて、くれ! これじゃ、『ヤ○チャしやがって』になってしまう。ほんとにまずい。
「冬人どうしたの?」
「えっとね、みんな仲良しだと思ったの」
「そうね。みんな仲良しさんだね」
「だぁ!」
この家族、最高すぎやしません?
「じゃあ、夏美、お母さんとも手を繋ごっか」
夏美はコクリと頷いて、お母さんの腕から降りて手を繋いでいる。かわいすぎてやばいんだが!?
左から、俺、夏美たん、母上と手を繋いで歩いている。もちろん夏美たんの歩幅はまだまだ小さいのでそのペースに合わせてみんなで仲良く歩いております。
いやー、楽しい。
あ、保育園が見えてきた。
「まんま!」
「保育園!」
「そうね。あともうちょっとよ。2人とも頑張って」
どうやら夏美も気づいたみたい。早く、保育園に行きたいっぽいんだろうけど、まだまだ歩くのが安定してない夏美は、走る事もまだちょっと難しい。だから、1歩1歩確実に保育園へと進んでいる。
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