第14話

「はい。あーん」


「まぁー!」



 んん! がわいい!!

 何って子なんだ。夏美ちゃんです。かわいすぎやしませんか。なんか、もぐもぐしてるんですけどー。待って、かわいすぎますって。



「夏美美味しい?」


「おいち」


 んん!! がわいい!!

 天使かな。天使だよ。いや女神。もうやばい。何この子。夏美ちゃんです。かわいすぎやしない!?

 『おいち』だって。がわいい。あ、そうそう『まんま』『にいに』『おいち』『ワンワン』くらいなら喋れるんですよ、うちの妹。天才すぎる。



「ふふ、お兄ちゃんありがとうね」


「お母さん、夏美も美味しいって」


「そうね。よかったわ」



 母さんは、俺たちを微笑ましそうに見てる。なんかむず痒い。人に向けるのはいいけど向けられるのはなんかこお違うというか。母さんが母さんである以上免れないけどさ。




◇◇◇


「冬人ご飯できたよー」


「はーい。ご飯!」


「だぁ!」



 今日のご飯は何じゃろな。あそれ。

 !?

 鮎!?

 え? まじで!? こんなん、食卓にでんの!? というか、どこで買ったの!? スーパーとかにないイメージだけど。にしても、やばい。俺の認識が正しければ高級魚よね。

 やったー!!!!

 前世と合わせて初鮎よ!!

 やったー!!!!



「冬人、お米入れるから運んでくれる?」


「うん」



 ワクワクが止まらない。



「じゃあ、食べましょうか。いただきます」


「いただきます」「まー!」



 えらいねー。『まー』だって。ほんまかわいい。

 母さんが、鮎の身を取ってあげてる。



「冬人、骨危ないから取ろうか?」


「ううん。自分でとる!」


「そう。難しかったら言ってね」



 母さんに取り分けてもらった鮎をフォークでガツガツたべてるねー。美味しいんか。そりゃあ、美味しいよな。さて、俺も。

 パク。

 うんっま。何これ。ふわふわなんだけど。なんじゃこりゃぁぁぁ!!

 うんまうんま。箸止まんない。母さんの子でほんとよかった。そりゃあ、夏美もパクパク食べるわ。だってうまいもん。だってうまいもん。大事な事なので2回いいました。

 でも、細い骨が結構あるな。小さい子にはまだ危ないね。






「美味しかった」


「ねー。美味しかった」


「おいち!!」



 夏美ご機嫌。俺もご機嫌。母さんもご機嫌。みんなご機嫌。美味しいものは、全てを解決する。これは真理よ。



「「ごちそうさまでした」」「だぁ!」




 ごちそうさまをして、食器を片付ける。

 あとはお風呂に入って歯磨きして寝るだけ。

 ふわぁー。眠くなってきた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1歳児ってどれくらい喋るのか判断が難しいですね。ちなみに、鮎を食べていいのは離乳食完了期かららしいです。


次は、ママさん視点を入れようかなと思っております。

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