第8話

「みんなー、そろそろお昼ご飯の時間にしようか!」


「「わーい」」「ご飯!」「カレー! カレー!」


「残念ながら、今日はカレーじゃないですが、みんなが大好きな『あれ』ですよ?」


「何々?」「教えて教えて!」「カレーがいい!!」「何だろ何だろ」



 うん。やかましい。

 あれー? 4歳児ってもう少し静かなイメージあったんだけど? あれか? 女が3人寄れば姦しいとか言うやつ? ま、3人どころじゃないんだけどねー。

 あと、凛ちゃん? 仲良くなりたいのはわかるよ。わかる。わかりみが深いけどね、ボディータッチ多すぎやしません? あなたまさか、卑しいの?

 いやだよ、4歳児から卑しい片鱗を見せつけられるの。ね? 自重しよ? ね?

 改めて思うけど、ここは男女比がおかしい世界なんだよね。まずは、左側をご覧ください。

 女子女子女子女子女子女子女子女子女子女子。はい。女子しかいません。

 続いて、右側をご覧ください。

 凛ちゃん女子女子女子女子女子女子女子女子女子女子。はい。知ってましたとも。ええ。

 はい。

 はい。

 …………はぁ。やっぱ、ハーレム作るの? まじで?

 ハーレム作ったら、嫁さんの相手してるうちに1日終わりそう。もちろん、嫁さんが出来たら精一杯仲良くするつもりだけどさ、限度ってもんがあるよね? ね?

 というか、もともとの目標だった『惰眠を貪る』ってのはどうなったのやら。若干忘れてたんだけど(笑)

 あらやだ、社畜根性抜けてなくてよ。

 ま、考える時間はいくらでもあるしまたにしよか。



「冬人くんも、お手手洗っておいでー」


「はーい」



 さてと、ご飯♪ ご飯♪

 今日のご飯は何じゃろな。あそれ。


 ジャブジャブジャブ。ゴシゴシゴシ


 あらあら、お手手綺麗綺麗。かんぺきー。


 お、もう並べてある。ほほお!

 オムライスとはやりおる!? 我、オムライス大好きぞよ!? めっちゃ綺麗に包まれてる。うまそう。早く早く! 早く食べるべき!



「じゃあ、皆さん手を合わせてください。いただきます!」


「「「いただきます!!」」」「ほどこし感謝致す。いただきます」



 うっま。うっま。まじ、うっま。パクパクいけちゃう。うっま。うっま。

 とりあえず、箸休めにブロッコリー。フッサフサやぞ! うん。食べやすいように柔らかくてうまいうまい。

 ありゃ? どったの凛ちゃん?



「どうしたの? 凛ちゃん?」


「………っ! え、えっとね。あのね。この緑のお豆さん苦手なの……」


「そうなの?」


「うん……」



 グリンピースかー。たまに苦手な人いるよね。だけど、バランスも考えて入れられてるわけだし食べてあげるのはダメだよねー。



「じゃあね、凛ちゃんがあと3個食べたら全部食べてあげる!」


「……! い、いいの!」


「うん! 3個頑張ってね!」


「うん!」



 あらかわいい。この無邪気な笑顔が俺を狂わせる。

 凛ちゃん3個頑張ってね! 

 さて、それまでオムライスを堪能しておくとしましょうか。うっまーうまうま、うっまー。美味しい。うまうま。なんで、オムライスってこんな美味しいんだろ。オムライス天下狙えるって。うまうま。



「冬人くん、あのね! 食べた!」


「凛ちゃん、えらい!」


「あひゅぅぅぅぅぅぅぅ。ふぇっ!」



 頭撫でるのもなかなかに乙なものがありますな。凛ちゃん髪サラサラなんだけど。あらやだなんて、綺麗な髪だわ。ずっと触っていたいくらい。

 おっといけね、凛ちゃんがパンク寸前だ。

 お、おぉ……。そ、そんな悲しそうな顔をされるとまた撫でたくなるじゃないか。鎮まれ俺の右腕!



「凛ちゃんはいどうぞ。グリンピース食べたよー」


「えっとね、ありがとう冬人くん」


「どういたまして」


「いたまして…?」



 おっといけない。つい本性が。果たして、いつまで隠し通せるのか。それは神のみぞ知るってね。テヘ。

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