第3話

 やぁやぁやぁ、初めましてかな久しぶりかな?

 あれからいろいろあって、ある程度は言葉がちゃんと伝えれるくらい話せるようになったよ! いやー、長かった。頑張ったよ。えらい。


 まぁ、時間に換算するとざっくりだけど4年くらいかな。そう、我4歳ぞ。そして、妹までできました。まじかわいい。我が家の天使。母さんからしてみたら、俺も天使らしいんだけど。恥ずかしい。


 あとわかったことなんだけど、どうやらこの世界は男性が極めて少ないんだって。だから、男性に対するサービスだとか法律、給付金なんかがしっかりしてるらしい。だから、基本的に働いてる男性は居ないとか。母さんから聞いた。カミサマが言ってたのこういう事だったらしたい。

 いや、違うよ!

 惰眠は貪りたいけど、働かずにダラダラするのはなんか違うよね! やっぱ、転生前の価値観が残っちゃってるんだよね。

 あと、やっぱお決まりの一夫多妻制。

 最低でも、25歳までに5人だって。いや、多い!

 1人いたら俺満足だって! ハーレムなんて、クソ野郎じゃねえか。ちなみに母さんは、結婚してはいないらしい。人工授精で、俺と天使な妹を産んだらしい。だから父親はいない。しくしく。



「冬人、りんご食べる?」


「うん!」



 あっぶねー。もちのろんとか言いそうになったんだけど。年相応の反応しなくちゃならんのは大変だ。あ、ちなみに、俺の今世の名前が『冬人』で、妹が『夏美』で、母さんが『六花』どうか覚えてくんなされ。



「あぅああ」


「はいはい。夏美も食べたいのねー」



 うちの妹、まじかわいすぎ。絶対天使の生まれ変わりだって。さてと、お手伝いしに行きますか。



「お母さん、手伝いたい!」


「あら、冬人手伝ってくれるの!? そうね、りんごを洗ってくれる?」


「うん、わかった!」



 そんなもんちょちょいのちょいさ。みててくれ、母さんや。必ず任務を遂行してみせる!

 ありゃ、意外におっきいぞ?

 あっぶねー。シンクに落としそうだった。この身体、手が小さすぎて意外に難しいかも。

 ふぅ。とりあえず任務完了。なかなかにハードでした。



「冬人ありがとうね。じゃあ、机で待っててくれる?」


「うん!」



 いやー、ひと働きするとはなかなか頑張ったな。しかし、母さんは子供の扱いがうまいな。何故か、母さんの言う事はしっかり聞こうって思うんだよねー。もちろん、最初からそのつもりではあるんだけど、なんか本能に直接来るみたいなそんな感じ。うーん。説明の仕方が難しいな。



「はい。剥けたわよ。どうぞ」


「ありがとう」


「えらいえらい」



 気づいたら皮を剥き終わっていたようだ。しかも、俺の口に合わせた一口サイズ。完璧すぎだよ母さん!

 あと、頭撫でられるの気持ちいい。

 なんて、ヒロイン力なんだよ!?

 ぶっちゃけ、母親じゃなかったら惚れてた。



「はいあーん」


「まぁー」


「ふふ」



 うちの妹が可愛いすぎてつらい件について。やばいまじでこのままだとシスコンコースまっしぐらなんだけど。別にいいけどさ!?

 って、うま。何このりんご。

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