第7話 裏切り者と島からの脱出②

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ひすい「痛っ…….なんなの?」


押領司さんは痛みに悶えながら、鼻をさする。音も聞こえていたし…本当に『何か』にぶつかっている証拠。


…でも…正面を見ても……障害物なんて無いのに…


みふる「押領司さんっ大丈夫ですっ……あいたっ!!」


ゴンッ!!!


続いて押領司さんき駆け寄った みふるちゃんまでもが思いっきりぶつかった。すごい音したけど…大丈夫かな…みふるちゃん。


痛みに悶える2人を見て、私はゆっくり歩み寄った。多分…勢いに任せて走ったら私も『何か』にぶつかるかもしれないから。


「……みふるちゃん、押領司さん。大丈夫ですか?」


ひすい「私は大丈夫よ……だけど…みふるが…」


みふる「顔がっ顔がぁぁぁ(涙)」


みふるちゃん…必死に痛みに耐えてる……って大変!鼻血が出でいるよ!!


私は慌ててカバンからティッシュを取り出し、みふるちゃんに渡した。


みふる「…あっありがとうございます。いるか先輩…うぅ情けない。」


涙ながらに彼女はティッシュを丸めて鼻栓をした。



ひすい「みふる。鼻血の時は頭を下げて…そうそう。あとは…」


押領司さんは水筒の水でハンカチを濡らし絞った後、そのハンカチをみふるちゃんの鼻元に軽く抑えた。


みふる「押領司さぁぁん…ありがとうござびまずっ(涙)姐さんと呼ばせて下さいぃぃ」


みふるちゃん…滝のような涙と鼻血で顔面崩壊。せっかく愛くるしいお顔が……


ひすい(……みふるがクチャクチャに泣く姿…なんかそそる…)じーっ…


あっ…押領司さんがみふるちゃんを見る目が怖いような……何となくだけど割って入った方が良いかもっ……


「あっあのっ…」


ひすい「………っ!!」ビクッ


みふる「はいっいるか先輩!」


「2人とも何かにぶつかった様な感じがしましたが、目の前に『何か』があるんですか?」


おそるおそる気になった事を聞いてみると、予想外な答えが返ってきた。



ひすい「えぇ、ここから何かに遮られて……これ以上は前に進めないのよ。……目の前に船があるのにっ」


悔しそうに押領司さんは、目の前にある船をじっと見つめる。


みふる「そうだ!ここじゃなくても砂浜から海に入ればっ…みふる!いっきまーす!」


みふるちゃんは砂浜まで移動して、海めがけて走り出した。あっ…そんなに勢いよく走ったら…また…


ゴンッ!!


本日3回目の衝突音。



「…………………」


ひすい「……………」



みふる「……ダメでした(涙)」


くるっと私たちの方向に振り向き、頭を悶えてしゃがみ込んでしまった。 



体を張ってくれてありがとうね。みふるちゃん。これで気づく事ができたよ。


何かに遮られ、確実に私たちはオランビス島から出られない。つまり…



ガサッガササッ(木々が揺れる音)


「……!!」


ナマリ「やっと…見つけましたよ。さぁ行きましょうか。あなた達は大事な【神様の生贄】なんですから。」





追手から逃げ切る事ができないって……

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