第6話 黄金の書物と1つ目の鍵①

……………………………………………………

……………………………………………………


ケムタタ「じゃあ2時間後、この受付場に集まる様に」


ケムタタさんの合図とともに各自で好きな場所へ移動した。


さあ、どの書物から見ようかな。字は読めないけど、絵で表現されているものだったら何か分かるかも。さて何処から見ようかしら。


そう思いながら、辺りをキョロキョロ見渡すと…



「………ん?何か光っている?」



パアアァァと黄金に輝く1冊の書物が目に入った。


え?…え?書物自体が発光している様で…おそるおそる書物を手に取ると勝手にページがパラリと開いた。


「……!!…」


書物って勝手に動く物だっけ…⁈息を呑んで中身を見ると…可愛らしい絵に文章が書かれていた。


しかもビックリする事に文章の言語は…日本語で記載されている。


「………もしかして…以前、ビスカ集落は日本と交流があったのかな……」


……そうだったら、共有した方が良いかも…みんなを呼ぼう。


「皆さーん。すごい書物を見つけました!」


バタバタバタ…(複数の足音)


私の声に反応して足音ともに3人が来てくれた。



みふる「すごい書物って何ですか?わっ光ってる!」


ひすい「装飾も凝っているわね…ケムタタさん…この書物は?」


ケムタタ「うーん…見た事あるような…無いような…中身を見ても良いかい?」


「はいっどうぞ。」


黄金に輝く書物をケムタタさんに渡す。彼は書物を受け取るとページめくりながら中身を見る。


ケムタタ「…なんて書いてあるか分からん。大切な事が書いているような気がするなぁ…君たちはどうかな?」


ケムタタさんは眉を顰めて、押領司さんとみふるちゃんに書物を手渡した。


押領司さんが書物を受け取り中身を見る。



ひすい「……日本語で書かれている……」


みふる「オランビス島にも日本の書物があるんですね。…!!うぇぇ絵が動いている!!」


……?!……今なんて……


急いで私も書物の中身を見る。本当だ…絵がアニメーションのように動いている。だけど驚くのはそれだけじゃなかった。



--導かれし者よ。この書物にはこれから起きる事が記載されている--



なんと書物が勝手にナレーションを始めたのだ。しかも母国の日本語で……


ケムタタ「…導かれし者?…これは…内容を聞いた方が良いかもしれん……」


何故かケムタタさんにも日本の言語が理解されている……この書物は一体……。


全員で頷き合い、ナレーションに耳を傾きながら、本の中身をじっと見た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る