第5話 嵐の前触れ①
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ビスカ集落の滞在2日目…
"ザーン ザーン ザーン"
時間は5時30分。私達3人+ルシアさんで、オランビス島の海岸から太陽が昇る瞬間を見ていた。
こうなったのには経緯があって…
初日の際、ケムタタさんや島民の方達におすすめの観光スポットはないかと聞いた所、この『朝日』がオススメだと教えてくれた。
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〜昨日の出来事〜
ケムタタ『朝日はこの島の名物スポットだ。是非、明日の朝、海岸で朝日を見に行ってくれ!』
ひすい『教えて頂きありがとうございます。さあ2人とも明日は早起きするわよ!』
みふる「わぁとっても楽しみです!今日は早く寝るぞ〜」
ケムタタ「あっ…しかし、密林を通るから誰かボディガードが必要…」
ルシア「それなら俺が3人のボディガードになりますよ。俺も着いてって良いか?いるか?」
「いいんですか?!ありがとうございます!ルシアさんが居てくれる助かります」
ルシア「俺にドーンと任せてくれ!」
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…という感じで朝日を見る事が決定した。
「綺麗…早起きして良かった…」
思わず息を呑む。
空は優しい暖色のグラデーション…
優しい日の光が海に反射して、キラキラと輝く様はまるでダイアモンドのようで…タブレットを取り出し写真を撮った。
"パシャリ"
もしかしたら、プランの1つができるかもしれない。題名はえーと…『気分をリフレッシュ!海岸の朝日を眺めよう』とか?
ふふっ帰った後のプラン作り楽しみだな。
タブレットを鞄に仕舞い込み、再び朝日を眺めようとした所…ルシアさんが不思議そうに隣で私を見ていた。
「へぁ?!ルシアさん!!」
突然の登場に思わず肩がビクつく。
いっいつの間に隣に!?えっ私さっきまで1人だったよね。ルシアさんはさっき森の中へ見回りに…もしかして瞬間移動?!
ルシア「なあっいるか?さっき鞄にしまった板はなんだ?不思議な音がしたんだが」
「えっ…あっ…これですか?」
ガサゴソとルシアさんのお目当てのタブレットを取り出す。…タブレットの事を知らないのかな?
ルシア「そうそう!その板だ。」
「これはお仕事に使う【タブレット】って言うです。例えば時間や天気、あらゆる情報がこの機会で見れたり…」
ルシア「おー現時点の天気が見れるのか…生活に便利だな。」
「それに…景色を保存する事だって出来るんですよ。」
ルシア「景色を…保存する?」
「はいっ…この景色を見てください。綺麗に撮れましたよ。」
タブレットを操作して数分前に撮った写真を見せる。すると彼は驚いた表情で画像と景色を見比べた。
ルシア「すごい!これさっきの朝日が昇る瞬間じゃないか!」
顔を輝かせタブレットの画面にふれるルシアさん。その姿はプレゼントを貰って無邪気に喜ぶ子供みたいで微笑ましいな。
ふふっと笑みをこぼす。
ルシア「……………////」ドキッ
「ルシアさん?どうしましたか?」
ルシア「あっ…いや何にも!そっそれよりさ!」
ルシアさんは、慌てて首を横に振りタブレットをずいっと前に出してこう言った。
ルシア「景色を保存する方法を教えてくれ!」
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2人の様子を少し離れた所で、ひすいは目を細めて見ていた。
ひすい(世界を旅する人がタブレットを知らないなんて…怪しくないか?必須アイテムのはず…)
みふる「押領司さーん。見てください綺麗な貝殻にシーガラス……あっ!」
みふるが嬉しそうに、ひすいの元に駆け寄って来たが、途中頬を染めて立ち止まってしまった。
そんな可愛らしい姿を見て、ひすいは内心ドギマギした。もしかして….みふるは僕に気があるんじゃないかと。
ひすい「みふる?どうしたの?もしかして私に……」
しかし、みふるから返ってきた言葉は、ひすいに衝撃を受ける内容だった。
みふる「押領司さんの美貌ならルシアさんにイチコロですよ!私応援しています!」
ひすい「………は?(重低音ボイス)」
みふる「ひえっおっ押領司さん?」ビクビク
ひすい「なんで私がルシアさんを好きになっているのかな〜?んん?」
この後、ひすいは勘違いしているみふるを、とっ捕まえ長々と説教をしだした。それはいるか達が2人の元へ来るまで続いた。
のちに みふるは語る。あんなに激怒した押領司さんを見るのは初めてだったと。もう2度と彼女の前では恋愛や男の話はしないと心から誓った。
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