第4話 歓迎と違和感②

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ーひすいsideー


違和感を感じたのは、海外視察が決まった時からだった。





僕は宝来翡翠。宝株式会社の代表取締役、宝来正英の1人息子だ。会社の跡を継ぐ為、支店で仕事をしながら、跡取りに継ぐノウハウを日々学んでいる。


そんなある日、父さんから【海外視察】するよう指示を貰った。本来は父さんが行くはずだったが、他の視察と重なってしまった為、代役として僕が行く事になった。 


あわせて、僕と父さんの私情で巻き込まれた みふると海原さんも参加する事に…ごめん2人とも…



えーごほんっ気を取り直して…早速、指示書と手紙を見て少し違和感を感じた。


(……オランビス島…そんな島ハワイにあったっけ?…しかも海外視察の条件が女性限定…いや、今回は1人女子旅のプランだし…また父さんが新しく島を見つけてきたのかな?)


けれど…その時の僕はあまり気にしなく…軽く受け流してしまった。







この時にオランビス島の所在を調べれば【あんな事】に巻き込まれず済んだのに…




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…次に違和感に感じたのは、オランビス島のビスカ集落についた時だ…


目の前の看板に見たことがない文字が書かれていた事と…。


……やけに白い羽が地面に落ちている事に気がついた。


(この文字…ハワイ語じゃない…なんて読むんだろう?しかも白き羽が結構落ちているな…白い鳥なんて…)


辺りを軽く見渡す。やはりカラフルなオウムやリスなどの小動物しかいない。



ますます違和感が募る。



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そして…最後は…


ビスカ集落の人々から歓迎を受けている時…


彼らの服装は、南国の花がプリントされたワイシャツに半ズボン、花をモチーフにしたアクセサリー。ワンピースに麦わら帽子といった夏衣装。


おしゃれで涼しそうな装いに興味が湧く。


あのワンピースと花のアクセサリー…みふるに似合うだろうな。プレゼントとして買おうかな……ん?


彼らの服装の可笑しさに気づき、また違和感を感じる。島民達の半分が背中に2つの穴が空いていたから。


なんだ?あの穴は…まるで何かが生えてている前提で開けているような…


ふと地面に落ちていた白い翼を思い出す…まさか……いや現実世界にそんな事はありえない。気のせいに決まっている。


……今は海外視察を成功させる事に集中しなくては…


頭を切り替えて僕は村長や島民達に挨拶を始めた。





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2日前の僕へ…

海外視察は【失敗】に終わりました。


「みふる!海原さん!起きて!!島から脱出するよ」


この後、2人を起こしてジャングルの中を駆け出すなんて誰が想像できただろうか…


とりあえず…先にこれだけは言わせてほしい。




父さんの馬鹿野郎!!!


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