第4話 歓迎と違和感①
………………………………………………
………………………………………………
ナマリ「お疲れ様。みなさん!この門から村の集落になります。ささっ中に入りましょう。」
ナマリさんの掛け声と共に、光が差し込む門をくぐり込むと…
「「ようこそ!ビスカ集落へ」」
「「お待ちしておりました!旅人様」」
島民達が色とりどりの旗を振り、明るい表情で私たちを出迎えてくれた。
なんだか…歓迎されている感じが伝わって、とても嬉しい。私も何か肯定的な意思表示を…と思い、会釈をして手を振り返した。
そんな中、歓迎する群衆の中から、1人の老人が私たちに歩み寄ってきた。
服装から見て、かなり高貴な方と予想…ペンダントに大粒な宝石が装飾されている。あのペンダント…私の給料以上はあるだろうな…
ナマリ「村長、彼女達が宝株式会社のオウリョウジさん、ウミハラさん、スギマチさんです。」
ケムタタ「おお!マサヒデの所の!初めましてビスカ集落の村長、ケムタタだ。よろしく頼むぞ」
ひすい「初めまして、ケムタタさん。この度は弊社と契約を結んでいただきありがとうございます。お互いに利益になるトラベルプランを作りましょう!」
ケムタタ「是非、よろしく頼むぞ!マサヒデの…いやお嬢さん!儂らも全面に協力するぞ!」
ガシッ(お互いに手を掴む音)
押領司さんとケムタタさんは力強く握手をしあう。お互いに『今回の契約は絶対に成功する!』と…本気具合がヒシヒシと感じた。
よっ…よーし私たちも…
押領司さんに続けて、私達もケムタタさん達に挨拶をした。
「ケムタタさん。初めまして押領司リーダーの部下、海原いるかです。5日間よろしくお願いいたします。オランビス島を是非、有名な観光地にしましょう。」
「同じく杉町みふるです。ちなみに海原さんは資料まとめ、私はイベント等の計画立てが得意です。精一杯頑張ります。」
ケムタタ「ほぉ…さすがマサヒデの部下…礼儀正しいな。期待しているぞ!2人とも。」
いるか/みふる「「はいっ!!頑張ります!」」
私達もケムタタさんと握手しあった。ここで良い印象を持たせるのは大事だからね。
ルシア「…………」じー…
私達の様子を見て、ルシアさんはソワソワし始めた。どうしたんだろう?表情も暗いような?
彼は数秒ほど躊躇うよう口を閉ざしたが、意を決して片手を私の目の前に差し出した。
ルシア「…なぁ…いるか。俺ももう一回、握手していいか?」
「はっはい…もちろん!ルシアさん改めてよろしくお願いします。」
差し出された彼の手を握り返して、軽く上下に振った。彼の表情はみるみる明るくなり…
ルシア「……ふふっ改めてよろしくな。いるか。」
……嬉しそうに私に微笑みかけた。
「あ…えっと…はい…////」カァァァ
彼の微笑みは…色っぽく見えて…直視できなく、声が吃ってしまった。
ルシアさんは純粋に握手したいだけなのに…なんで…私…ドキドキしているんだろう。…うー…イケメンの微笑みにやられたのかな…
そんな私達の様子を隣で見ていたケムタタさんは、何故だか微笑ましい表情で「青春だなー」と呟いた。
ーーーーーー
【オマケ】
みふる「いるか先輩ー!ルシアさーん!次は私と握手つ…」
ガシッ!!
みふる「……えっと…押領司さんも握手したいんですか?」
ひすい「………海原さんなら良いけど。ルシアさんは絶対にやめてね。」むすっ
みふる「……!!はい分かりました////」
(えっ…嘘…高嶺の花の押領司さんが…こここ恋?!)
この時点でみふるは、翡翠の好きな人はルシア・オリーブだと勘違いしてしまう。
この勘違いは、のちのち面倒事が起きるとは、みふる自身は思いもしなかった。
ーーーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます