第3話 冒険家ルシア・オリーブ②

……………………………………………………

……………………………………………………


背が高く爽やかな笑顔を振りまくイケメン。彼の名は、ルシア・オリーブさん。


私達と年が近く年齢は23歳。

職業は冒険家。世界を巡っては資料を作成をしているらしい。もしかして…ルシアさん私達と同業者かな?


世界中を旅しているから、色んな国の言語が分かるんだって。日本語も理解していて、流暢に話す事もできる…すごいよね。


ちなみに、彼もオランビス島には、昨日から滞在を始め、彼らの生活や文化を資料にまとめているんだって…


……やっぱり私達と同業者だよね?ルシアさん。



------

------


そんな中、私達はナマリさんを先頭に密林をかき分けていた。


村の集落は海外から歩いて15分ぐらい。時間が短い分、気軽に自然を満喫できるのが良いよね。日本ではこういった体験は出来ないだろうから…。明日の朝、資料作成に写真を撮りに行こうかな。



ガサ ガサ ガサ


ピーピー ギャ ギャ


「………………」


揺れる木々の音、鳥の鳴き声、周りは南国特有の植物が生い茂り、なんだか癒されるなぁ。


密林を見渡し、ふと前面にいるルシアさんを見る。彼は私達のキャリーケース3台を両手で持ってくれている。


さっきの動物にしても…凄い力…一体どこからそんなパワーが…ううん…まずは先にお礼を言わなくちゃ。


私はおそるおそるルシアさんに声をかけた。



「ルシアさん。私達の荷物を持っていただきありがとうございます。…あの重くはないですか?」


ルシア「お?あぁ気にしないで!3人の荷物は軽いから大丈夫だぞ。」


私に向けてニカッと笑い返した。


うっ…笑顔が眩しすぎる…しかし彼がいて本当に助かった…舗装されていない&ジャングルの道でキャリーケースを引いて歩くのはキツイと思うから。



みふる「助かります!ルシアさんってすごい力持ち…私も…むんっ!…あっ…筋肉ないや…」


ひすい「みふるは筋肉つけなくていいよ。ルシアさん。私達からもありがとうございます。」


みふるちゃん達もルシアさんの力に賞賛して、頭を下げた。



ルシア「……君たちは怖くないのか?」


私達の反応を見て彼は眉尻をさげて、ポツリと呟いた。


「…えっ?」


ルシア「いや、これを見たら大抵の人間は怯えて逃げるから…化け物って。」


困ったように笑うルシアさんに、なんだかズキリと心が痛んだ。たしかに初対面の血まみれ姿は度肝を抜かしたけど…


今は………



「誰かの為に力を使うのは怖くないです!尊敬します!!」


ルシア「……!」


「えっと、私あまり力がないので羨ましいですよ。ねぇ みふるちゃん。押領司さん。」


ほらっ2人も勢いよく頷いているし。怖い感情はないから安心して!だから自分の個性を卑下しないでほしい。


必殺!営業スマイル!!


ルシア「…俺の力がこんなに褒められるなんてな…ふふっありがとう。」


私なりの励ましを聞いたルシアさんは、悲しそうな表情から照れくさそうな表情に変わってくれた。良かった元気になってくれた。



「いえ!どういたしまして…あっ……」


ルシア「いるか?……あぁ着いたな。」



目の前に大きな門があり、日が差し込む。その横には大きな看板があった。


もしかして…


ナマリ「お疲れ様。みなさん!この門から村の集落になります。ささっ中に入りましょう。」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世界が夜に包まれる前に〜7つの鍵を探して〜 クリアチルド @clearchilled

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画