要求

 約束通りに告げた僕の要求。


「待って、待って、待って!?」


 それを受け、エルピスは困惑の声を上げる。


「君の要求って、私を抱かせろ、っていうものじゅないのかっ!?」


 そして、頬を赤くするエルピスは自分の想定と違うと叫んだ。


「自意識過剰かぁ?」


「ぐぬっ!?」


「ちなみに僕は自意識過剰だぞ。エルピスって、別に僕がここで要求しなくともいつかは自分に惚れるでしょ?」


「何を勝手なっ!」


「エルピスの好きなタイプって自分よりも強く、常に自分をより強く引き上げてくれるような存在でしょう?」


「まぁ、そうだが……」


「そんなの僕しかいないだろ。幼き時から神童と呼ばれるエルピスよりも常に強いやつなんてまずいないでしょ。いるのか?」


「……そんなの、別に私はお前だって超えて見せる」


「僕は負けないぞ?世界最強の名は僕の為にある。」


「……」


 僕の言葉を受け、エルピスはそっと視線を逸らす。


「確かに、そうだな。私はやっぱり、何処までいっても力に惹かれる。己の力を引き上げてくれるもの、それこそ……やはり、一番だ」


 そのまま、エルピスは自分の考えを口にする。狂気に染まった瞳を見せながら。

 あぁ、その目だ。


「そういう意味では、お前が最も近いな。私の好みに。どれだけ、お前がクズであったとしても」


 何かに狂った、何か一つのものだけを愛し、自分の人生を捧げるだけの覚悟を持った狂気。

 それこそが、僕の一番の好みだ。


「だろう?わざわざ、こんなところで要求に使うまでもないなっ」


「……じゃあ、元の話に戻ろう」

 

 エルピスはさっきまでの雰囲気を一変させ、僕の方へと口を開く。

 

「さっきの、言葉は何だ?アフトクラトル辺境伯家が王国に対して反旗を翻す?何の、冗談だ?」


「冗談でも、なんでもないとも。ただの事実だ。おそらくは僕の父上が反旗を翻しただろうから、それに対して、お前にも協力してもらおうと思ってね」

 

 そして、そのまま真っ先に入るべき本題へと入っていくのだった。



 ■■■■■


 ランキング入り目指してます!

 良ければ、スクロールして下にある星の評価をしてくれるとありがたいですっ!お願いしますっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る