頼み
ポワンの言葉に頷いた僕は早速、アルマたち四人とついでに彼女たちの師匠になってくれていたアグロスを呼びつけていた。
「君たちを呼んだのは他でもない、ここでやってほしいことがあってね」
僕が長老様より与えられたずいぶんと広い部屋。
そこに立つ僕は自分の前にみんなが座っている中で、堂々たる態度で言葉を話し始める。
「ちょっとした探し物をしてほしいんだ」
「探し物、だと?」
「そう、探し物……これだね」
エルピスの言葉に頷いた僕は懐から一つの宝石を取り出して掲げる。
「これはこのエルフが暮らす森の恵みをもたらす力、その結晶だね。ぶっちゃけた話、これ一つあってもそこまで何かに役立つわけでもないけど、回収しないままでいるというのも問題でね」
この宝石は自然を司る精霊が出したウンチみたいなものだ。
めちゃくちゃ綺麗なウンチ。それがこの宝石。
ウンチをそのままにするわけにもいかないので、しっかりと回収する必要があるのだ。
えっ?回収した後はどうするのか、って?そりゃもちろん自然を司る精霊の方がモグモグと食べるのだ。あいつは自分で出したウンチを自分で食べて、またウンチとして出すのだ。
素晴らしい永久機関だね。
「エルフの国全体に落ちているから、君たちはそれを回収してね。エルフの国の内部は魔法があることを前提としてつくられているから、動きにくいところはあると思うけど……それくらい、しっかりと適応できるだろう?」
「なるほどね。つまりは、ミッション形式にして私たちをこの国に慣れさせ、多くのものを実際に国で暮らすエルフたちから吸収してこい、っていう話ね?」
「そういうことっ!」
全然違うけどね?
僕はどや顔で告げるアルマの言葉を否定しながら、それでも、表ではそうだと頷いてみせる。
「この国において、VIP対応を受けているのは僕だけ。受け入れられているのはまだ僕だけだと言える……自分の申し出に、拒否権がないことはわかるね?」
「そうだな」
「うむっ!」
「わかっているわ」
「なるほど……」
僕の言葉に四人はしっかりと頷いてくれる。
「それじゃあ、お願いね?」
まだ、悪魔のことを話すつもりはない。
僕は全然、話の核心に触れないことをとりあえず、四人に頼むのだった。
「あっ、アグロスの方は四人のことを支えてあげて。お願いね?」
「承知いたしました」
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