迎え

 エルフの国。

 それは深い森林の中にあり、その国家模様も森と共にある。

 この国に住むエルフたちは森よりもたらされる恵みを食べていき、住居としては木と一体型になったずいぶんと特殊な形態を見せている。

 そんな国を誰もが見た目麗しく若々しいエルフたちが穏やかな生活を送っていた。

 ここに競争なんてものはない。誰もがのんびりとした生活を送っているのだ。

 そして、そのエルフたちの国の中心。

 そこにあるのは神話の世界より現在にまで残る大樹。

 神樹と呼ばれ、エルフからの信仰を集める木が存在している。

 その神樹には王家の宮殿が設けられており、そこに僕たちはやってきていた。


「お、おぉ……王家の宮殿に私たちが」


 自分たちが国にやってくると共に出迎えとしてやってきた初老のエルフ……見た目はまだまだ全然若い男性に案内されて宮殿の内部を歩く中で、エルピスは感激の声を漏らす。

 

「だから、言っただろう?問題ないって」


 僕はそんなエルピスに対して、どや顔を見せながら答える。


「あ、あぁ……そうだな」


 そんな僕の言葉にエルピスは頷く。


「歴史上、エルフの宮殿にまで案内された人間はいない。ここに案内されるなんて……一体、どれだけのことをすれば?」


「色々?」


 エルフの国には結構な年数滞在していたし、その中で色々なことをやっていた。


「こちらでございます」


 僕が感激していエルピスと会話していた中で、自分たちは目的地であった玉座の間にまでたどり着く。


「ティラン様のお手紙を受け、我が君は非常に感激しておりまして、着いたらすぐにでも玉座の間にまで案内するように仰せつかっております。どうぞ、玉座の間へと。久しぶりの邂逅をお楽しみくださいませ」


「あぁ」


 迎えにやってきた男性のエルフたちは開けてくれた大きな扉を通って、玉座の間へと入っていく。

 そして。


「ティラぁぁぁぁああああああああああぁぁぁああああああン……ッ!!!」


 僕たちが玉座の間に入った瞬間。

 

「へぶしっ」


 自分の体に衝撃が走る。


「やぁっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!?」


「……は?」


「えっ?急に何が……?」


 僕は玉座に座っていた女性からドロップキックを叩きつけられて地面を転がっていく中で、周りにいる者たちがそれぞれの反応を見せる。


「あったわ」


 そんな中で、地面を好き放題に転がった僕は小さく言葉を漏らすのだった。


 

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