鎮圧
何故か高級街で大暴れしている貴族たち。
それの鎮圧は普通に重労働だった。
貴族の一人、一人が確固たる教育を受けた一人の武人である。
「火の龍よっ!すべてを飲み乾せっ!」
貴族なんかは普通に使用難易度の高い魔法をバンバン使ってくる。
「これまた面倒な……っ」
僕は自分の元に向かってくる貴族の一人が発動させた炎の龍を自分の魔法でかき消しつつ、距離を詰めてその腹に拳を突き出す。
「ぬんっ!」
だが、その貴族は魔法だけでなく体術もそこそこ行ける口であったようで、僕の拳はしっかりと受け止められてしまう。
とはいえ、普通に受け止められた拳からノータイムで魔法を発動して、それを吹き飛ばして勝利なわけだが───。
「おぉっ!」
「今だっ!これで終わりよぉっつ!」
「くらえぇぇぇぇええええええええっ!」
「氷のつぶてぇっ!」
───問題はこんなところで一度、自分が止められてしまったところだろう。
これが面倒だった。
足を止めた自分の元にこれ幸いとばかりに大量の貴族が押し寄せてくる。
「ふんっ!」
そんな連中を前にどうするか悩んでいた僕であるが、その解決策は生徒会長が持ってきた。
生徒会長が適当に拾ってきた壊れた建物の丸太で貴族たちを全員吹き飛ばすことで強引に解決していく。
「はっはっはっはっはっはっはっ!これで貸し一だなっ!」
僕の周りにいた面々を薙ぎ払ってみせた生徒会長は自分の前で高笑いを浮かべる。
「僕の方が受け持っている人が多いんだが?寝言は寝ていえ」
そんな生徒会長の言葉を斬り捨てながら僕は自分の拳を握り固めて暴走している貴族へと向かっていく。
ここで剣を抜いたりすると殺傷沙汰。
流石に殺すのは不味いということで僕は拳にとどめて居るし、常時発動させて自分の周り以外にも暴走している面々をボコボコにしている魔法も死なない程度の火力に留めていた。
「はぁー」
殺していいのなら何も困ることはないというのに。
「クソッタレ」
僕は拳一つでフルボッコにしていく。
この間、騎士の連中は完全に割りきって救助活動に専念しており、これから僕たちの人手が増えることはなさそうだった。
大量にいる暴走している貴族たちを僕と生徒会長の二人だけで倒さなくてはならないのだ。
まだまだ制圧には時間がかかりそうで───。
「だっる」
「いやぁー!いい運動になったなっ!」
結局、すべての貴族たちを鎮圧するのに一時間くらいかかってしまった。
こんなの、真夜中にやることじゃないだろ……マジで。
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