副生徒会長

 ポタモス剣魔学園の生徒会長である副生徒会長たるミーク・スクリットーレ。

 その彼女の意思により、僕たちは自分たちの場所を室内武道場へと移していた。


「さぁ、お前たちの力を見せてみよ!」


 そこで木刀を持ち、意気揚々と声を張り上げるミークの前で。


「ふふふ」


 僕は不敵な笑みを漏らしながら、木刀を持って彼女の方に近づいていこうとする。


「待ちなさい」


 だが、それをアルマが止めてくる。


「何さ」


「貴方が一番最初に行ってどうするの?それに、貴方がその笑みを浮かべているときは大体ヤバいときよ」


「僕が一番最初で何が悪いんだ?えぇ?優勝者さんよぉ。これまで長らく表舞台に立っていなかった僕こそ、自分の実力を証明するべきだろ」


「……私が優勝してくることもさっきまで絶対に知らなかった身で何を言っているのかしら?」



「だってよっ!んじゃっ!」


 その言葉を受け、僕はアルマの手から軽く逃げ、そのままミークの前へと立つ。


「よし、やろうか」



「すぅー」


 僕は息を吐き、そのまま一歩。

 最小限の動きでミークとの距離を詰めた僕は、そのまま彼女の腹に二発叩き込んでその体を浮かせ、その後すぐに足首を叩くことによって強引にひっくり返す。

 掬い上げるような僕の木刀はミークのことを簡単にひっくり返させて頭から地面へと叩きつけさせた。


「……は?」


 足を天へと向けさせ、制服のスカートを全開にさせているミークは呆然と言葉を漏らす。

 なるほど、黒か。中々に大胆だな。


「な、何が……」


 僕がパンツを鑑賞している間にもミークは体を震わせながら、痛む足を地面につけて再び立ち上がる。


「この程度?」


「……ッ」


 そんな彼女の前で、僕はあえて挑発するかのような言葉を告げる。


「ここが副生徒会長のレベルか……ポタモス剣魔学園の生徒会とはつまらぬところなのだな」


「ほざけっ!私はまだ負けていないっ!これからだっ!」


 僕の挑発へとまんまと乗っかってきたミークは手にある木刀を力強く握って自分の方へと突撃してくる。


「ぬぁぁぁぁぁあっ!」


 そして、咆哮をあげながら僕へと木刀で一振り。


「遅いな」


 それを最小限の動きで回避する僕はそのまま最小限の動きで反撃へと動き、突きをミークに向かって放つ。

 狙うは心臓、胸だ。


「ぐぬっ」


 ぶるんぶるんっ!


「ふっ」


「くっ……っ!」


「弱い弱いっ!この程度で僕たちの実力を測ろうなどとっ!よく言えたものだっ!」


「ぐぬぁぁぁぁぁぁっ!?」


 僕は一切の容赦なくミークへと攻撃を繰り出し続け、徹底的に彼女をボコボコにさせていく。


「わ、私は名誉あるポタモス剣魔学園の剣魔学園の、副、生徒会長……っ!」


「おらぁっ!」


「ぐわぁっ!?」


 ヒャッハーっ!!!

 恥辱で頬を赤く染めながら、僕の木刀を受けておっぱいをぶるんぶるん揺らせている女を見るのは気持ちいいぞいっ!


「おぉ……」


「ちっ……」

 

 観客席の方で思わずリアンが感嘆の声を漏らし、自分の意図に気づいて忌々しそうに舌打ちを打っているアルマがいる中で、僕は構わず木刀を振り続けて、おっぱいを震わせる。


「うぐっ、おごっ!?あぶっ……おぁぁぁぁぁぁぁ」


 そんな中で、フルボッコにされてとうとう立っていることも出来なくなったミークが震えながら地面へと倒れ伏す。


「こ、降参だ……お前の実力はわかった。生徒会に、相応しい……実力の持ち主だ」


「ふっ」


 揺れるおっぱいの鑑賞はここまでか。

 残念だ。

 だが、良いものは見られた。


「次は私の番ですね……っ」


「おっ?」


 ひとまず満足して、矛を収めた僕に対して、代わりにミークの雨に立つのはアルマだ。


「私の実力をしっかりと見ていただきましょう」

 

 聞かなくともわかる。

 ミークのおっぱいを見て満足げにしている僕を見て嫉妬心を燃やし始めたアルマが憂さ晴らしの為、フルボッコにしようとしているのだろう。


「……なぬ?」


 戦った感じ、ミークは僕の模擬戦で着実に力をつけているアルマよりも弱い。

 ましてや、子鹿のように足を震わせて立っている今のミークだ。

 アルマに対して、何か出来るはずがないだろう。


「ちょ、ちょっと……今は」


「では、参ります」


 そんな中で、アルマは一切の容赦なく木刀を構え、そして───。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ」


 結果、リアンの実力確認が行われることはなく、ミークは医務室へと運ばれていった。

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