髪の長い女の子
姉が子供のときに体験した話。
私たち姉妹が通った幼稚園はお寺さんが運営するところだった。
そのためか、卒園のときにもらえる記念品も和風の渋めのものが多く、そのうちひとつが子供の人形だった。
素焼きの人形で、男子は男の子の、女子は女の子の人形をもらえたのだが、はっきり言って可愛くはなかった。
とはいえもらったものだから、仕方なく飾っていたのだが、ある日姉がそれを割ってしまった。
その日の夜。
姉は金縛りに遭ったそうだ。
目を開けると、髪の長い小さな女の子が自分に腰かけている。
それを見たとき姉は私が座っていると思い、あきらめてまた寝たらしい。
わがままな妹にどいてと言い聞かせるくらいなら、我慢して寝たほうがいいと。
しかし、翌朝気がついたのだという。
私の髪は数日前にガムがくっついため、母がばっさり切ってしまっていたことに。
だから、髪の長い小さな女の子は妹の私ではない。
我が家ではこれは、割られた素焼き人形の祟りだと言われている。
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