写りこんでいる

不動産会社で働いていたときのこと。

同僚がとある古い戸建の写真を撮りにいって落ち込んで帰ってきた。

聞くと、何枚撮ってもおかしなものが写り込んで、まともなものが一枚も撮れなかったのだと言う。

写っていたのは大量の白いオーブだった。見事なオーブの写りこみに私は大興奮したが、同僚は撮り直しにいかなければならないかと悩んでいた。

つい最近まで人は住んでいて、空室になったから新規入居者を募集することになった物件で、退去の際にも特におかしな苦情も入っていない。

それならばと試しに外観写真と間取り図だけで広告を出したところ、すぐに成約となった。

不動産で働いていると、こういう不思議なことはよくあった。

どれだけ古ぼけて特に魅力的には見えない家でも、なぜか瞬く間に入居希望者が現れて成約となるということが。

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