首がない人
子供の頃、家族でドライブをして、とあるお寺に立ち寄った。
風光明媚な場所だが、正直言って子供には退屈な場所で、そのときまだ幼児だった弟も泣き出してしまった。
退屈で泣き出してしまったのかと思ったが、どうにも違う。
まだ片言しか話せない弟は、「ない! 首ないいる!」と言って泣いていた。
首ないいる――つまり首がない人がいると言って泣いている。
そのあまりの怖がりように両親も慌て、すぐに車に戻ると、ようやく弟も泣き止んだ。
弟がそのとき何を見たのかはわからない。だが、その寺は某武将の最期の地として語られている場所だったと、あとになってから知った。
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