二階にいるやつ

アルバイトをしていたときのこと。

女性のバイトは店舗の清掃のほかに、オーナーが所有する古ぼけたビルの掃除もさせられていた。

3階建だが、掃除をするのは1階駐車場と2階の階段まで。

いつも日が射さず暗くて不気味で、私はこのビルの掃除が苦手だった。

というのも掃除で少しでも音をさせると、誰かが壁を殴るような音を返してくるのだ。

何かヤバイ奴が住んでるのかなと思った私は、あるときバイト仲間にその話をした。だが、その人は不思議そうにするだけだった。

そのあと少しして、2階の掃除はしなくてよくなった。

2階に続くドアはガムテープでべったり目張りされてしまった。

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