第13話 PANTA『唇にスパーク』
前作に引き続いての『スウィート路線』。当初は次作にカバー曲のアルバムを製作して三部作の予定でしたが、(加藤和彦さんにプロデュースを頼むような話もあったらしいです)スウィート路線はここで打ち切りとなります。
前回は甘すぎるという反省点を直すつもりか、今作はビートを効かせるような感じを心がけたといいます。今回は作詞もPANTA自身が行っています。編曲は前回に引き続いての矢野誠さんに加え、伊藤銀次さんも参加しています。ちょっと意外な組み合わせですね。
1曲目の『P-WAVE』。結構ポップな感じだなって思って聴いていたのですが、後にライブで演奏しているのを生で聴いてみたら意外とロックテイストを感じてビックリしたのを覚えています。当時はポップさを優先したという事かと。それにしても「アイスティックにオレンジマーマレイド』とか、今までのPANTAのイメージから想像も出来ないタイトルだな。まぁジャケットからしても、ちょっとにやけた感じの表情は他では見られないですし。
https://www.youtube.com/watch?v=6GrQfICSxcE
ポップなタイトルも多い中、『渚にて』みたいなオールデイズを感じさせるようなしっとりとした曲も。PANTAは元々ブルースの影響が強かったのですが、60年代のポップスも好きだったようです。因みにPANTAにとっての永遠のアイドルは、フランス・ギャルだと何度も発言していますね。
https://www.youtube.com/watch?v=O3-BgrvOFWY
この頃は、色々な歌手に曲を提供していますが、流石にハードな曲はなく、シティポップに近い感じのものですね。アルバムに収録出来なかった曲を提供したのかもしれません。石川セリさんに提供した『想い出のスノーキャンドル』は自らも歌っていますが。(石川さんに提供したものは歌詞が違っています)
https://www.youtube.com/watch?v=e8LwPC5eN4U
次作は洋楽のカバー集をやって三部作とする予定でしたが、もう飽きたという事で、ロックの世界へと戻る事になります。しかしながら、このスウィート路線でファンが少々離れたのも事実です。
余談ですが、このアルバムに収録されている『レーザーショック』は、ト〇タのCMで使用されています。PANTA本人は、CMに関わるつもりは全くなかったのですが、〇通がCMを断る人などいないと勝手に話を進めてしまっていたので、仕方なく協力することになったのだと。しかしながら、現場を知らないお偉方が口を出してきてキレそうになったとか。最初は『渚にて』のメロディで作られてスタッフの評判も良かったのですが、『昔、スローな曲で車が売れなかったから』というお偉いの一言で作り直しに。アレンジャーの伊藤銀次さんもキレそうになったそうですが、あろうことか、PANTAの『自分も耐えているんだから落ち着いてくれよ』の言葉で落ち着く事に。怖い様なイメージのあるPANTAですが、実際には包容力のある人なんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=mAWcRLthTCM
https://www.youtube.com/watch?v=D5ESRC29kKo
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