第67話 猫と仮免許。

もうすぐ、梅雨も明ける。


さくらと、教習所に通って、

暫くたった。。。7月の頭。


今日は、いよいよ仮免許の試験。


車の教習で、言えば、中間地点。


「ねぇ、琢磨。大丈夫だよね。」


「ん。不安なの?」


「うん。あたし、試験って、

どうしても、緊張しちゃって。」


「ふふっ。大丈夫だよ。だって、

僕も、さくらも、暗記とか、

得意じゃん。多分ね、見たら、

答えわかってるよ。」


「そうかな。でも、琢磨が、言うと、

何だか、安心する。。。

うん。大丈夫な、気がしてきた。」


「ふふっ。そうだよ。大丈夫。」


「うん。ありがと。琢磨。」


試験が、始まると、さくらも、

落ち着いて、出来てる見たい。

見てると、わかる。そんな感じ。


僕も、さくらも、

殆んど同じタイミングで、

ペンを置いた。


試験が終わると、


「琢磨、琢磨の言ったとおりね、

問題読んだら、普通にわかった。」


緊張がとけて、何時もの、

優しい笑い方。

そんな、さくらの笑顔に、思わず、

僕も、ほっとした。


結果の発表も、すぐにわかり、

僕も、さくらも、無事に、合格。


「えへへ。琢磨の言う通りだね。」


「ふふっ。さくら、緊張し過ぎ。」


「今日は、帰って、受験に向けて、

勉強しよ。」


「うん。そうだね。」


教習所から、バスに乗り、

さくらの家に。

何時も通り、手を繋いで歩く。


「ねぇ、琢磨。次は、路上講習だね。」


「うん。そうだよ。」


「なんかさ、それ考えたら、

また、緊張してきた。」


「ふふっ。大丈夫。僕的には、

仮免許より、そっちの方が、

少し、緊張してたけど、良く考えたら、

最初から、何でも上手くなんて、

考えなくていいのかもってさ。」


「え。どう言うこと?」


「うん。緊張しても、

しょうがないからさ、落ち着いてさ、

行った方が、

きっとね。上手く行くと思って。」


「へぇ。琢磨、落ち着いてるんだ?」


「ふふっ。

落ち着けようと思ってるだけ。」


「ふふっ。そっかぁ。」


「ふふっ。そうだよ。」


「じゃあ、あたしも、琢磨の真似して、

出来るだけ、落ち着いて行こ。」


「ふふっ。そうして。」


そんな、談笑をしながら、

さくらの家に。


僕たちは、大学受験に向けて、

ほぼ毎日、二人で、勉強している。


「ねぇ、琢磨。ここの所ってさぁ、

わかりやすい、解き方ってある?」


「あ、これはね、こっちから、解くと、

わかりやすいかも。」


「あ、そんな解き方あったんだ。

あたしも、真似しよ。」


そんな会話を続けて、二人で決めた、

1日、三時間と言う、勉強時間は、

あっという間に、過ぎて行った。


勉強終わりには、いつも、彼女が、

珈琲を入れてくれて。

その、さりげなく、入れてくれる、

珈琲には、何時も感謝してる。


僕は、その間に、いつもクロに、

おやつを、出して、珈琲を待つ。


「はい、琢磨、珈琲。」


「ありがと。」


さくらの、入れてくれた珈琲を、

飲みながら、今後の話を二人で、

話し合う。。。


「ねぇ、琢磨。

予定通り、夏休み前に、仮免許が、

取れたもんね。」


「うん。もう、ここからは、

路上講習と、免許の試験だけだから、

ある程度、余裕見ても、

夏休みの、初めの方で、免許が、

取れるね。」


「ふふっ。琢磨と、ドライブ。

楽しくなってきた。」


「うん。僕も、さくらと、車で、

何処か行くなんて、ホント楽しみ。」


「ねぇ、最初のドライブは、

何処にする?」


「う~ん。そうだねぇ。。。

最初から、遠出だと、

キツいかも知れないから。。。

江の島とか、動物園とか?」


「あたしは、最初は、近くの、

駅ビルとかでも、全然構わないよ。

だって、あたしも、琢磨も、

疲れちゃったら、楽しくないもん。」


「ふふっ。確かに。じゃあ、

最初の、ドライブは、近くの、

駅ビルとか、ホームセンターとか、

そう言う所から、始めようか?」


「ふふっ。うん。でも、楽しみ。」


さくらと、話をしていると、

近くの場所に行くのも、

楽しみになる。。。


「ねぇ、琢磨。夏休みさぁ、

何処か、いけるかなぁ?」


「うん。行けるよ。最近、

実は、夜寝る前にね、近場で、

さくらと、出掛けられそうな、

所を、探してるんだ。」


「え。そうなの?嬉しいなぁ。」


「ふふっ。本当は、サプライズに、

したかったけど、やっぱり、

さくらと、話をして決めたい。」


「ふふっ。ありがと。」


「そんなに遠くなくて、

ドライブも、楽しめるって言う、

そんな場所何か、思い付く?」


「んー。あたし、そんな場所とか、

あんまり、知らないし、何時も、

琢磨に、任せきりだから、

何か、ごめん。」


「あ、じゃあ、車の、旅行雑誌、

明日の、バイト帰りに、

一冊買わない?」


「うん。そうだね。雑誌とか、

あれば、色々わかりそうだもんね。」




さくらと、まだ取れてない免許の、

その先の、ドライブの話。。。


先の事を、考えるのって、

大好きな、人とだから、楽しいし、

幸せだなって、本当、そう思う。。。


おやつを、食べ終わったクロの、

頭を撫でながら、

さくらと、クロと、僕。

夕食前の、ひとときを、まったりと、

過ごした。。。

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