第59話 猫とショッピングモール。


さくらを連れて、

ショッピングモール前で、

バスを降りる。


バスを降りると、さくらが、

僕の腕に、くっついて、

仲良く、腕を組んで、歩いた。


いつも、行っている、

駅前のビルの、何倍も大きな、

ショッピングモールには、

何でも、揃ってると言う、

感じがした。


「ねぇ、琢磨。ここなら、

ひょっとして、指輪あるんじゃない?」


「あ、そうだね。見に行こうか?」


「うん。きっとあるよ。」


僕達は、建物の、案内板を、

じーっと、見て、

ジュエリーショッブを見つけて、

少し、ドキドキしながら、

お店に向かった。


エレベーターに乗ると、

三階にある、お店へ。。。


さくらと、手を繋いで、

お店の前に着くと、

僕は、彼女に、手を引かれて、

お店の中へ。


「わぁ。綺麗。。。だけど、高いね。」

と、苦笑いの、さくら。


「うん。確かに、高いね。」

と、僕。


一応、貯金があるので、

5万円くらいだったら、今すぐに、

買おうかなと、思っていたけど、

ペアで、買おうとすると、

探すのが、大変だった。


「あ。」


と、さくらが、声を漏らす。


そこに、目を向けると、

6万円で、買えるペアリングが、

売っていた。


「さくら。こう言うのがいいの?」


「うん。ちょっと高いけど、

シンプルなのが好き。」


「そうだね、毎日着けるなら、

僕も、こう言うのが、いいかも。」


僕は、店員さんを呼ぶと、

さくらの見つけた、指輪を、

見せて貰うことにした。


「こちらは、シンプルで、

あきのこない、

デザインになってます。」

と、店員さん。


「ちょっと、手に取っていいですか?」


そう聞くと、店員さんは、そっと、

さくらに、指輪を渡して、

見せてくれた。


指輪を、手に取った、さくらが、

嬉しそうに、微笑むから。。。


「これ、下さい。」


と、僕は、買うことを決意した。


「え、琢磨、ちょっと高いって。」


「そうだね、だけど、僕が、

これが、欲しいから。」


「え、でも。」


「サイズは、おいくつですか?」


「ん。サイズ?」


「琢磨、指のサイズだよ。」


「太さの事かな?」


「うん。」


「なんか、さくらの指に、

ピッタリじゃない?」


さくらが、指に軽く通すと、

本当に、ピッタリだった。


「もう一つも、見せて貰って、

いいですか?」


そう言って、店員さんに、

指輪を出して貰うと、

僕も、試しに、指に通してみた。。。


「あれ、ピッタリ。」


店員さんも、少しビックリして、

一応、サイズを、計ってくれたけど、

僕達の、

指に、ピッタリなサイズだった。


今回の、旅行の為に、財布の中身は、

10万円入っていたから、

そこから、6万円を払うと、

店員さんが、

「今、特別セールで、

10%引きです。」


って、言って。


最初の予定より、少し出ただけで、

とても、僕は満足な、買い物だった。


その後、


いかにも、高そうな袋に、

包んで貰って、人生初の、

指輪を、購入。


「ねぇ、琢磨。あたしが、

欲しそうな顔したから、

無理させちゃったね。」


「ふふっ。そんな事ないよ。

さくらの顔を見てたら、

僕が、欲しくなったから、

買ったんだよ。」


「おんなじじゃん。」

と、さくらは、苦笑い。


「でも、サイズってあるの、

初めて知った。ちょっと、

焦った。」


「ふふっ。知らないのは、

琢磨くらいだよ。」


「でも、ピッタリで、良かったね。」


「うん。でも、琢磨に、

お金、いっぱい使わせたから、

この後の、お金は、あたしが、

払うね。」


「うん。じゃあ、そうする。

断っても、絶対さくら、

引かないもんね。」


「ふふっ。琢磨だって、

同じでしょ。」


「ふふっ。確かに。」


ショッピングモールを、

歩いていると、

美味しそうな、匂いがして、


「琢磨の好きな、ハンバーグだって。」


「うん。いい匂い。」


「ここにする?」


「うん。」


ちょっと高そうな、ハンバーグ屋さん。

窓際の席に、案内されて。


二人で、ハンバーグを頼むと、

ジュエリーショップの袋から、

指輪を、取り出した。


「ねぇ、琢磨。指輪、はめてくれる?」


「スッ」と、手を差し出す彼女。


その薬指に、買ったばかりの、

指輪をはめる。


「ふふっ。何か、とっても嬉しい。」


さくらの、とても嬉しそうな顔。


僕も、さくらに、手を差し出す。


僕の指にも、指輪が光る。


「うん。確かに、指輪って、いいね。」


二人で、テーブルの上で、

手を、並べる。


お互い、「ふふっ」って、

笑って。。。


「琢磨、ありがとう。大切にするね。」


「うん。遅くなったけど、

さくらに、指輪をあげられて、

僕も嬉しいよ。」


そう言って、さくらを見詰めた。


ちょっとだけ、顔の赤いさくら。


僕も、少しだけ照れて。


「ご注文の、ビーフ100%、

ハンバーグになります。」


と、店員さん。


「あ、どうも。」


と、僕も、さくらも、ハンバーグを、

テーブルに、受け取ると、

店員さんが、いなくなってから、

また、二人で少しだけ、笑った。


普段なら、大好きなハンバーグも、

何故か、胸がいっぱいで、

味が、良くわからなかった。。。


その後は、僕も、さくらも、

気持ちの、高ぶりが、抑えられなくて、

二人で、ホテルに移動した。。。




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