第55話 猫とデート
今日は、土曜日。
琢磨と一緒に、お出掛けの約束。
基本的に、琢磨は、朝が早い。
だから、いつもあたしは、
早起きして、色々整えて待ってる。
休みの日は、毎回、朝の八時には、
携帯に、メール。
約束がなくても、琢磨は、
あたしに、会いに来る。
それが、当たり前の様になって、
10ヶ月たった。
そんな琢磨だけど、来る前には、
ちゃんと、メールか、電話が鳴る。
突然、来たりはしない。
今日は、9時に、行くって、
メールが来た。
もうすぐ、9時。。。
琢磨が、来る時間。
あたしは、五分前には、玄関の外。
そこから、琢磨の姿が見えるのを、
眺めているのが好き。
今日も、時間通りに、来る彼。
そんな彼が、視界に入ると、
嬉しくなって、手を振る。
少し、小走りになって、
近付いてくる、琢磨。
あたしも、階段を降りる。
「お待たせ。」
彼が、優しく微笑むから、
あたしも、微笑む。
「ねぇ、琢磨。今日は、
何処に行こうか?」
「うん。駅ビルに、行って、
取り敢えず、さくらと、
ハンバーガーを、食べたい。」
「ハンバーガー?」
「うん。さくらに、メールする前、
スマホ見てたら、
新商品が、出てて、食べたくなった。」
「ふふっ。そうなんだぁ。
いいよ。じゃあ、ハンバーガーね。
一緒に、食べよ。」
あたし達は、仲良く手を繋いで、
駅ビルに、向かった。。。
一緒に、歩くスピードも、
あたしに、合わせてくれる。
あたしの、歩きやすい、
ペースで。
他にも、色々あるけれど、
琢磨は、本当に優しい。。。
面白いし、頼りになるし。
あたしの事が、本当に好きだって、
見ててわかるから、何か、
安心する。
会話なく歩いていても、
たまに、目が合うと、
琢磨は、優しい目で返してくれる。
バスに乗って、駅ビルに着くと、
琢磨と一緒に、ハンバーガー屋さん。
「ねぇ、琢磨。そんなに、頼むの?」
琢磨は、ハンバーガー3個に、
ポテト、ナゲット。珈琲と、紅茶。
を、直ぐに注文。
「ん。新商品の、ハンバーガーは、
一つは、さくらの分だよ。
僕が、誘ったんだから、僕の奢りで。」
「ふふっ。ありがと。」
一緒に席に着いて、琢磨が、
嬉しそうに、ハンバーガーを、
「ぱくり」
琢磨は、本当に、美味しそうに、
食べるから、その姿を見てるのも好き。
ずーっと、見ていたい。
そんな、気持ちになる。
「ねぇ、さくら。食べないと、
冷めちゃうよ。」
「うん。でも、琢磨が、
食べてるの、もう少し見てる。」
「ふふっ。別にいいけど、
じゃあ、さくらの食べてる時は、
僕も、見てていい?」
「駄目。」
「そうなの。さくらの食べてるの、
可愛いから、
見てるの、好きなんだけど。駄目?」
「うん。駄目。恥ずかしいし、
琢磨は、あたしの、食べる所、
見るの、禁止。」
「ふふっ。フェアじゃないね。」
「うん。そうだよ。あたしは、
いいけど、琢磨は駄目。」
「うん。さくらが、嫌なら、
ちょっとは、見るけど、
なるべく、見ないように、
気を付ける。」
「ふふっ。ちょっとなら、許す。」
琢磨と、一緒にハンバーガー。
朝の、ご飯を二人で済ませると、
駅ビルの中を、二人で、見て廻る。
あたしが、足を止めると、
琢磨が、それに、自然と付き合って、
くれるから、琢磨と、出掛けるのは、
あたしは、好き。
今日は、洋服から、靴。
ちょっとした、アクセサリーなど、
結構、あたしの、見たいものばかり、
見て歩いた。
「ねぇ、琢磨。お昼は、
前に、連れて行ってくれた、
ラーメン屋さんに、久しぶりに、
行きたいな。」
そう言うと、彼はきょとんとして。
「ふふっ。僕も、食べたかった。
ラーメン。」
と、微笑んだ。
ラーメン屋さんで、食券を買うと、
あの時と、同じ、ラーメンが、
出てきた。
一緒に、ラーメンを食べて、
琢磨と、付き合いはじめを、
思い出す。
「ふふっ。」
と、思い出し笑い。
「どうしたの?」
そう、彼が問い掛けるから、
「ううん。最初の、ラーメンをね、
食べた時を、思い出しちゃって。」
「なるほど。あの時の、
ラーメンも、美味しかったね。」
「ふふっ。そうだね。」
琢磨は、ペロリと、ラーメンを、
食べて、あたしが、食べ終わるのを、
待ってくれてる。
水を、汲んでくれて、
「ゆっくりで、いいよ。」
って、声を掛けてくれる。
ラーメン屋さんから出ると、
今の時間は、午後の2時過ぎ。
ゆっくり、歩いてバスに乗り、
あたしの家に。
家に帰ると、直ぐに琢磨は、
クロに、ご飯。
最近、クロも、毎日琢磨が、
ご飯をくれるので、
琢磨が、来ると、
「な~。」
と、挨拶する。
クロも、琢磨が、好きみたい。
彼と、一緒にお勉強。
琢磨は、普段、馬鹿な事言ったり、
するけれど、勉強が、凄く出来る。
スポーツも、万能だし。
「ねぇ、琢磨ってさ、
何か、困った事とか、出来ない事って、
あったりするの?」
って、聞いて見た。
「う~ん。そうだね。
出来ない事の方が、多いと思うけど、
必要なら、出来るようにするし、
困った事って言うのがあるとすれば、
さくらの事くらいかなぁ。」
「え。あたしの?」
「うん。好き過ぎて、困ってる。」
「ふふっ。何それ。。。でも、
あたしも、同じだよ。」
そう言うと、琢磨は、可愛く、
笑顔で、返す。。。
琢磨の顔が、とても、可愛く見えて、
あたしは、琢磨に、キスをした。。。
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