第52話 猫と北海道からの帰宅


まだ、外はうす暗い。。。


横には、可愛い寝顔。


彼女を、起こさないように、

そっと、ベッドから降りると、

窓から、外を見る。。。


外は、ホテルの明かりが灯り、

そこだけが、明るいと言った感じだ。


スマホを握ると、時間は五時前。


インスタント珈琲に、備え付けの、

ポットで、お湯を注ぐ。


一口すすると、彼女の方を見つめる。

ん。。。さくらと、目が合った。。。


「ふふっ。琢磨は、朝早いね。」


と、声を掛けられた。


「あれ、起きてたの?」


「うん。起きたら、琢磨が、珈琲を、

入れてた。」


そう、微笑む彼女に、


「さくらも、飲む?」


そう、聞くと、彼女は、起き上がって、


「うん。お茶入れてくれる?」


そう、言った。


「うん。直ぐに入れるね。」


と、返すと、

お湯を注いで、彼女にお茶を入れて、

渡す。。。


二人だけで過ごす、旅行の最終日の朝。


隣に、そっと、彼女が座る。。。


「ねぇ、琢磨。幸せな旅行、

ありがとう。。。」


そう言うと、僕の肩に、頭を乗せる。

彼女の、優しくて、いい匂いが、

鼻をくすぐる。。。


僕も、さくらの、肩に手を回すと、


「ううん。幸せな旅行って言うなら、

幸せを貰ってるのは、僕の方だよ。」

と、微笑んだ。


「ふふっ。同じ気持ちなら、

あたしは、ほんとに嬉しいし、

本当に、幸せだよ。。。

ねぇ、琢磨。この旅行でね、あたし、

感じたの。」


「ん。何を?」


「琢磨の、お嫁さんに、今すにぐでも、

なりたいって。」


「うん。それなら、僕は、毎日、

思ってるよ。結婚して、さくらと、

家庭を持ちたいって。」

そう言うと、彼女は、僕の手を握って、

僕を、覗き込む。。。


「ふふっ。ありがとう、琢磨。」


その、僕に向けられた表情は、

幸せ、いっぱいで、とても、綺麗で、

僕は、「ドキッ」と、すると同時に、

この笑顔を、

大切に、守れる様になりたいと、

心から思った。


「僕はさ、ちゃんと、頑張るから、

僕の、この先を、

ずっと、見てて欲しい。

さくらだけに。」


「うん。見てるよ。。。

でも、琢磨は、あたしの事、

ちゃんと、見ててくれないと、

駄目なんだからね。」


そんな、さくらが、可愛くて、

たまらず、キスをした。。。


「ん。」


少し、長いキスをして、

暫く、見詰め合った。。。


「もう。琢磨。あのさ、

旅行来て、してばっかりだけどさ、

あたし、また、その。。。」


「うん。」


と返事を返すと、

彼女と二人、また、ベットに潜った。


暫く、ゆっくりと、愛し合って。。。


「ねぇ、琢磨。」


「ん。なぁに?」


「一緒に暮らしたらさ。」


「ん。」


「直ぐ、出来ちゃうね。」


「そうだね。。。でも、

いっぱい、遊んであげたいから、

なるべく、早く欲しいな。」


「ふふっ。何か、想像出来るもん。

琢磨が、子供と、遊ぶ所。。。

だから、安心して、琢磨と、

こう言うこと、出来るんだと思う。」


「僕も、さくらなら、良い、

お母さんに、なれると思うよ。

優しくて、気が利くし、

ご飯も、美味しくて、暖かいもん。」


「ふふっ。ありがと。琢磨。」


暫く、手を繋いで、二人で、

そんな、会話をしながら過ごして。。。


チェックアウトまで、まだ、時間が、

あったので、ホテルの大浴場に、

朝風呂に、入りに行った。


お風呂の、入り口の脇にある椅子で、

彼女の、出てくるのを待って、

二人で、部屋に戻る。


「ふぅ。いいお風呂だったね。」


「うん。」


汗が、引いたところで、

二人で、身支度を整えて、

帰る支度を始める。


「あー。帰りたくないなぁ。」


「ふふっ。僕も。」


「でもなぁ。このまま、ここにいたら、

赤ちゃんできちゃうしなぁ。」


「ふふっ。確かに。」


「でも、それなら、それで。」


「えっ?」

と、少し、驚いた僕に、


「うん。本心だけど。やっぱり、

仕事してからじゃないと、

駄目だから、今は、我慢する。」


「ふふっ。そうだね。とても、

幸せそうだけど、稼ぎもないのに、

出来ちゃったじゃ、駄目だと思う。」


「でもなぁ。あたし、本当に、

幸せだったもん。いま出来ても、

いいってくらい。」


「うん。そうだね。

一緒に、頑張って行こう。

その時の、為にも。」


「うん。琢磨、大好き。」


そう言うと、彼女は、僕に抱きついて、

キスをした。。。


帰る支度を済ませて、少し早く、

ロビーに出ると、チェックアウトを、

済ませて、空港へ。


帰りの、飛行機も、外を眺めて、

楽しそうな、彼女。


だから、最後まで、僕も楽しくなる。


飛行場から、電車、バスと、

乗り継ぎ、いつもの町に戻って来た。


手を繋いで、二人で、ゆっくりと、

歩いて、帰る、いつもの道。


「ねぇ、琢磨。落ち着くね。」


「うん。いつもの通りだもんね。」


「また、旅行行こうね。」

と、微笑む、彼女。


「うん。次は、夏休みだね。」


「でも、琢磨。受験勉強も、

頑張らないとね。」


「大丈夫。さくらとなら、

乗り越えられるよ。」

と、微笑む。


「うん。そうだね。琢磨と、

一緒だもんね。」


次の旅行に行くには、バイトも、

勉強も、今まで以上に、頑張らないと、

そう、決意を固めながら、

彼女の家に。。。


「ただいま~。」


と、二人で声を揃えて、

彼女の、お母さんに、言って、

家に上がると、3日ぶりに、僕は、

旅行の、

お土産と、綺麗な夜景の話しと、

写真を見せた。


クロには、おやつを忘れずに。。。






















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