第50話 猫と北海道 続 続


今日は、朝から、動物園に、

行く予定なんだけど。。。



でも、やっぱり、さくらは、

良く寝ていて、起きる気配がない。


あんまりにも、

可愛い顔で寝てるから、

正直、起こしたくはないけれど、

起こさなければ、

それは、それで、拗ねられそう。。。


「さくら、起きて。」


彼女の身体を、軽く揺する。。。


「あと、もうちょっとだけ。」


そう言うと、目も開けずに、

布団に潜る。


仕方がないので、僕も布団に潜って、

さくらに、ちょっかいを出して、

起きて貰うことにした。


「ちょっと、琢磨。。。」


そう言うと、

ちょっかいをだす僕を、

ぎゅっと、抱き締めた。


心地よくて、

一緒に寝てしまいそうになる。。。


「さくら、出掛けないの?

それなら、僕も、寝ちゃうけど。」


そう呟くと、もぞもぞと動いて。


「うん。起きるから。。。

一緒に、起きよう。琢磨。」


「良かった。後、

もうちょっとこのままだったら、

寝ちゃう所だったよ。」


さくらの胸に、

優しく抱き締めてもらえるなら、

眠るのも幸せだとおもったから。。。


ゆっくり、起き上がると、

暖房が、動いてるとはいえ、

寒い部屋を、移動して、シャワーを、

浴びる。


「ねぇ、さくら。動物園でさ、

何が一番見たいの?」


さくらは、ちょっと考えて、

「動物園で、何がというより、

琢磨と、動物園行きたいってだけ。

あの雰囲気好きだし。。。

有名な、動物園だし。」


そう言われて、行く場所を、二人で、

考えた時、彼女が、動物園と言った時。

僕は、あんまり考えなかったけど、

動物園って、小さな時に行ったきりで、

思い出してみれば、

僕も、あの雰囲気は、

好きだった事を思い出した。。。

さくらが、提案しなかったら、

動物園って、選択肢は、僕には、

無かっただろうと、思った。。。


「雰囲気かぁ。確かに、

言われてみれば、僕も好きかも。」


「ふふっ。」


と、彼女が、笑う。


「なぁに、突然。」


その笑いの意味が知りたくて、

さくらに、問い掛ける。


「なんか、琢磨と、動物園に行くって、

思ったら、楽しくて。」


「想像しちゃったって事?」


「うん。なんか、いいなって。」


確かに、動物園デートって言うのも、

ちょっとなとは、少し思ったけど、

さくらと、

行くのは楽しいだろうなって、

僕も、思った。


支度が出来ると、

僕たちは、動物園に向けて、出発した。


移動は、電車とバスを乗りついで。。。


動物園の前で、バスから降りると、

彼女と、手を繋いで、入場する。


「フラミンゴだ。」


彼女が、ぐっと、僕の手を引く。


「フラミンゴだね。」


そう言うと、さくらは、僕の顔を、

覗き込む。


「ねぇ、琢磨。動物園と言えば、

アイスじゃない?」


「え、そうなの?アイス?

売ってるかな。」


「あたし、動物園来ると、

いつも、アイス食べてた記憶が、

あるの。」


「そう、なんだね。じゃあ、

アイス探しながら、歩こうか。」


「うん。」


動物園に、入ってから、さくらは、

とても、楽しそうにしていて、

それを見てると、僕まで、楽しくなる。


さくらと、出掛けるのが、僕が、

大好きなのは、きっと、

さくらが、楽しそうにしているのを、

見られるからだと思う。


「あ、アイス。」


少し歩くと、いきなり売店を見つけ、

そこで、まず、アイスを買って、

二人で、休憩。


「ふふっ。アイス買えたね。」


「うん。動物園と言えば、

アイスって言うのは、

ちょっと、びっくりしたけど。」


「そう、まぁ、小さい時の、

思い出によるよね。こう言うのって。」


「ああ、確かに。それなら、

僕は、フランクフルトとか、

ポテトとか、お腹にたまるもの。。。

だったよ。」


「そうなんだぁ。じゃあ、お腹、

空いたら、それ食べようよ。」


「うん。そうだね。

それ、いいかも。そう言う、

楽しみ方も、ありだよね。」


小さい時を、思い出して、

動物園を、楽しむ。。。

そんな、楽しみ方が、あったんだね。

そう思ったし、さくらの、

小さい時の話しも聞けて、

何だか、楽しさが、倍になった。


ペンギン、アザラシと、見て。

動物の前で、

何となく真似したりするさくら。


それが、たまらなく可愛い。

だから、僕も真似したりして。

そんな事をしながら、ふざけながら、

歩くのも楽しい。。。


熊を見たり、フクロウを見たり。。。

多分だけど、最初は、

そんなには、興味が、あまりない、

動物園が、今はとても、

好きになった。


丁度、小腹が空いた所で、

売店を発見。


「琢磨、何か、食べようよ。」


「うん。そうだね。ポテトとか、

フランクフルトは、売ってるかな?」


「ふふっ。そうだよね。」


普通に、ご飯も食べられる見たいで、

ご飯物など、色々と、メニューが、

揃っていた。


「琢磨、あるある。ポテトも、

フランクフルトも。どうする?」


「うん。両方食べる。」


「ふふっ。子供の記憶を、辿っても、

今の体じゃ、

両方食べれるもんね。」


「うん。余裕で食べられる。

さくらは、何か食べる?

一緒に、買うから。」


「うん。じゃあ、ポテトにする。」


僕は、珈琲二つと、ポテト二つに、

フランクフルトを頼んで、

適当に、座る場所を探して、

さくらと、座った。


動物園で、食べる、ポテトに、

フランクフルトは、

ああ、こう言うのってあったよな。

と、確かに思い出すものがあった。


僕の、顔を見ながら、ゆっくりと、

ポテトを食べる、さくら。

そのさくらを、見ながら、

黙々と、食べる僕。


珈琲を、「ずっ」と、飲んで、

ポテトを、流し込むと、

手を、「パンパン」とはたいて、

立ち上がって、ゴミを屑籠に捨てた。

そんな、僕に、


「琢磨、美味しかった?」


「うん。美味しかったよ。」


そう答える僕に、微笑む彼女。 

スッと出された手を、僕は握り、

動物園の、続きを楽しんだ。


ぐるっと歩いて、さる山まで来ると、

暫くそこで、おサルさんを見ながら、

休憩。


「あれは、何してるんだろ。」


「おいかけっこじゃない?」


「あれは?」


「う~ん。何だろう。」


指を指しては、あれは?と、

聞いてくる。色々考えて答えるけど、

僕自身も、どれが正解かは、

正直わからない。。。

そんな、僕を見て、

「うん。琢磨はいいお父さんに、

なれそうだね。」


「えっ?」


「あたし、小さい時ね、こうやって、

お父さんに、聞いてたから。

ちゃんと、答えてくれる琢磨は、

あたしの、お父さんと同じだもん。」


「そうなの?でもさ、

僕の考えが、正解かは、自信ないよ。」


「違うよ。考えて、向き合って、

くれるのが、大切なんだよ。」


そう言って、微笑む彼女。


「そっかぁ。そうだね。でも、

さくら、僕を試したね?」


「ふふっ。知らない。」


そう言うとまた、微笑んだ。


ゆっくり過ごした動物園も、

最後に、かばさん。きりんさんと、

見ると、終わりになった。


「琢磨、ありがと、楽しかった。」


「うん。でも、僕もね、とっても、

楽しかった。

さくらと、一緒にさ、来なければ、

こんなに楽しい動物園は、

無かったと思うよ。」


「そう、良かった。」


そう、笑うさくらは、本当に、

僕の太陽のような、人だと感じた。。。




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