第49話 猫と北海道 続


ホテルに着くと、

部屋に荷物を置いて、

僕たちは、足早に、ご飯にを食べに、

外に出た。。。


「寒ぅ。」


3月とは言っても、北海道の3月は、

思っていたよりも、寒くて、

ホテルを出た瞬間に吹いた風は、

体験したことがないくらいの、

冷気だった。


寒くて、丸まったさくらを、

そっと抱き寄せて、手を繋ぐ。


「手、冷たくなってる。」


「琢磨の手、暖かいね。

筋肉質だからかな?」


「ふふっ。そうかも。早く、

温かいものを、食べに行こう。」


「うん。」


食べたいものは、色々とあるけれど、

お金の都合も考えて、夕食だけは、

豪華にしてと、二人で決め、

取り敢えず、ラーメンを食べに。


お店に入ると、北海道は、

味噌ラーメンかと、

思い込んでいたけど、メニューは、

色々とあった。


「北海道だから、味噌ラーメンじゃ、

ないんだね。」


「うん。あたしも、

味噌ラーメンかと、思ってた。」


「だよね。でも、頭の中が、

味噌ラーメンだから、味噌ラーメンを、

頼む事にするよ。」


「うん。あたしも、琢磨と、

同じのにする。」


二人で、味噌ラーメンを頼んで、

この後の事を、話す。


「ねぇ、琢磨。お昼食べたら、

お風呂しようよ。」


「そうだね。寒いから、良いかも。」


「お風呂して、その後は、

琢磨と、ゆっくりしたいなぁ。」


「うん。僕も。。。

夜は、夜景を、

さくらと、見に行く予定だもんね。」


「うん。そうだね。旅行雑誌の、

写真の夜景、

綺麗だったもんね。」


僕たちの会話を、切るように、


「お待たせしました。」と、

味噌ラーメンが、届いた。


「美味しそうだね。」


「うん。」


お腹が、空いていた僕たちは、

ラーメンを、取り敢えず食べて、

空腹を満たした。。。


「暖まったね。」


「うん。さくら、顔が赤いよ。」


「う~ん。寒暖差?」


「ふふっ。そうかも。」


「ねぇ、さくら、体が、

暖かいうちに、戻ろうか?」


「うん。そうだね。」


二人で、手を繋いで、ホテルまで、

ゆっくりと歩く。


「ねぇ、琢磨。あたし、

今ね。とっても、幸せだよ。」


「うん。僕もだよ。

旅行の時って、寝てさ、起きた時、

隣にさくらが、いるじゃん。

あの瞬間が、本当に、幸せ。」


「ふふっ。あたしも。起きた時、

琢磨がいるの、幸せ。」


ホテルのロビーを抜けて、

部屋に戻ると、お風呂に行く予定が、

お互いに、愛しくてたまらなくなり、

そのまま、部屋で、抱き合った。。。


抱き合ったまま、少し寝てしまい、

夕方に、僕は、目を覚ました。。。


僕に、くっついて寝てる、さくらが、

柔らかくて、暖かい。。。


スマホで、時間を確認すると、

3時過ぎだった。。。



「ねぇ、さくら。」と、声を掛ける。


「ん。」おはよ。と、

さくらは、もぞもぞする。


そんな、さくらの、

おでこにキスをして、

「さくら、起きないと、

夜景見る時間無くなるよ。」

と、もう一度、声を掛ける。。。


「琢磨、今、何時なの?」


「昼の、3時ちょっと過ぎ。」


「あ、起きないとね。」


「バッ」と、起き上がったさくらは、

そのまま、部屋に付いている、

お風呂に、向かった。


「寒いっ。」


そう、言うのが、聞こえて、僕も、

お風呂へ。。。


「お風呂、作ろうよ。

シャワーだけじゃ、寒いから。」


そう言うと、僕は、浴槽を、

軽く流すと、お湯を張った。。。


「さくら、お湯溜まるまで、

布団に入ってようよ。」


「うん。」


さくらの体は、鳥肌が立っていて、

見るからに、冷えきっていた。。。


布団に戻ると、冷たいさくらの身体を、

布団の中で、抱き締めて、温めた。


「琢磨、暖かいね。」


「こんなに、冷たくなって。。。」


「なんか、こう言うのも、いいね。」


「うん。くっついてるのって、

幸せだもんね。」


「うん。」


「さくら、ごめん。もう一度、

して、いい?」


「え。うん。琢磨が、したいなら、

いいよ。」


さくらを、抱き締めていたら、

さくらの、いい匂いと、

柔らかさに、抑えが効かなくなって、

そのまま、さくらと、また愛し合った。


「ねぇ、琢磨。琢磨って、

エッチだね。」


「うん。さくらを見てると、

どうしても、したくなっちゃう。」


「ふふっ。じゃあ、いつも、

いっぱい、我慢してくれてるんだね。」


「うん。そうだよ。でも、普通に、

考えて、我慢と言うよりは、

そうするしかないって感じだから、

我慢してるとか、さくらが、

気にすることじゃ無いから、

気にしないで。」


「うん。でも、あたしも、

琢磨ほどじゃないけど、

そう言う時あるから。」


そう言うと、さくらは、僕に、

優しく、キスをした。


お風呂が、溜まると、さくらに、

手を引かれて、一緒にお風呂。


明るい場所で、さくらは、


「ちょっと、恥ずかしい。やっぱり」

と、お風呂の入り口で、少し、

戸惑う。。。


「さくら、恥ずかしいなら、

僕は、布団で待ってるよ。」

って言った。


「うん。でも、いいの。一緒に、

入ろ。」


二人で、身体を流すと、一緒に、

お風呂へ。備え付けの、お風呂は、

二人で、小さくなって、やっと、

入れる大きさだったから、

とても、窮屈だった。


「ふふっ。狭いね。」


「うん。狭いね。」


狭いお風呂に、二人で入る。


でも、それも、何だか楽しくて、

幸せな気持ちになった。


体が、温まるまで、お風呂に浸かって、

二人で、お風呂を出ると、

夜景を見に行く、準備を始めた。。。


「ねぇ、琢磨。夜景楽しみだなぁ。」


「うん。写真見るより、きっと、

綺麗だと思うよ。」


外に出ると、日が落ち掛けていて、

薄明かるい空。


バスに乗って、展望台へ。


この時の為に、ダウンジャケットを、

持ってきたのは、正解だった。


事前に、こっちの気温を、見ていて、

良かった。。。


3月でも、夜の北海道は、凍える寒さ。

傾斜を、

バスが、登って行くと、

大きな駐車場。


「琢磨、凄く寒いね。」


「うん。あんまり、長居は、

出来ないね。。。」


少し、風もあって、体感温度は、

マイナスだと思う。。。


人の行く方に、僕たちも歩く。。。


「わぁ。写真の景色だぁ。。。」


「綺麗だね。」


「うん。やっぱり、自分の目で、

見た方が、感動するね。」


「そうだね。本当に。」


近くにいた、同世代のカップルに、

声を掛けて、夜景をバックに、

写真を、撮って貰った。


もう少し、見ていたかったけれど、

思っていたより、ずっと寒くて、

30分くらいで、展望台を、後にした。


「綺麗だったけど。。。寒かったね。」

と、さくらが、微笑む。


「うん。僕も、そう思う。」

思っていたより、ずっと寒いね。。。


バスに乗って、帰る車の中、

寒過ぎた事で、二人で、何だか、

楽しくて、笑った。。。


割と直ぐに戻って来たことで、

夕食を選ぶ時間が増えて、

僕たちは、蟹を食べに行く事にした。


「か~に、か~に。」

と、さくらが、嬉しそうで、

見ている僕も、楽しくなった。


「さくら、そんなに、蟹好きなんだ。」


「うん。好きだよ。毛ガニが、

旬なんでしょ今。」


「うん。そう見たい。」

と言って、僕も蟹好きだから、

ニッコリ。


お店に入ると、殆んどの客が、

蟹を頼んでいる様だった。


「さくら、蟹、お腹いっぱい食べよ。」


「うん。食べる。」


席に座ると、取り敢えず、蟹。蟹。蟹。

毛ガニ、蟹の足と、蟹三昧。

お腹いっぱいと言っても、

蟹だけを、そんなに、続けては、

食べられず、思ってたより、

すぐに、

お腹いっぱいになって、しまった。


「琢磨、思ってたより、そんなには、

食べられないね。

もう、お腹いっぱいだよぉ。」

そう言いながら、とても、幸せそう。


「うん。そうだね。でも、

味噌も、足も、美味しかった。」


「うん。何か、

あっちで、食べるのより、

濃厚だった。」


「そうだよね。僕も思った。」


値段は、それなりにしたけど、

これだけ、

さくらが、喜んでくれたのなら、

僕は、とても、幸せを感じられた。


ホテルに戻ると、さくらが、

部屋で、お茶を入れてくれて、

窓から、外を眺めながら、

二人で、熱いお茶を、すすった。


「ふぅ。」と一息つくと、

さくらが、僕にもたれ掛かって、


「琢磨と、こうして過ごすの、

本当に、幸せだよ。」

って、言ってくれた。


そんな、さくらが、大好きで、

抱き締めた。


「うん。僕も、幸せだよ。ずっと、

こうしてたい。」


「うん。。。ねぇ、琢磨。

お腹いっぱいになって、

幸せな気持ちになったら、

また、琢磨と、したくなっちゃった。」


そう、さくらが、恥ずかしそうに言う。


「実は、僕も。」


そう言うと、さくらと、ベッドに潜り、

また、愛し合った。


「琢磨、愛してる。」


「うん。さくら、愛してる。」


長い夜は、続いた。。。








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