第8話 猫と携帯
笹木さん。。。
さくらと、付き合える。。。
家に帰って、これが、現実か、
夢かで、悩んだ。。。
僕が、プロポーズ?
頭が、のぼせそうになった。。。
まだ、好きとか、愛してるとか、
言ったことも無いのに。。。
枕を抱えて、恥ずかしさを、
枕に向かって叫んだ。。。
「ふぅ。。」
何か、意識すると、余計に、
変な緊張してきて。。。
自分が、本当に、さくらの事、
大好きだって、自覚した。
ずっと思っていた気持ち。。。
そうか、さくらの事が、
好きだったからなんだ。。。
そう思うと、恥ずかしくなくなり、
幸せな気持ちになった。
でも、いつも通りにしよう。
きっと、学校で、ベタベタされるの、
さくらも、嫌だろうし。
いつも通りが、一番。。。
琢磨の事、嫌いじゃないって、
言ってたもんな。
きっと、今までの、僕が、
嫌いじゃ無いって事だよな。。。
じゃあ、今まで通りでいよう。
そう思うと、嬉しいけど。
気持ちが落ち着いた。。。
次の日。。。
下駄箱で、さくらが、待っていた。
「おはよ。さくら。」
「おはよ。琢磨。あのさ、
昨日、考えたんだけど、
あたし達って、携帯の番号も、
知らないんだけど。。。」
「あ。そうだね。。。」
「じゃあ、ご飯の時、交換しようよ。」
「そうだね。お願い。」
そうだった。浮かれてて、そんな事も、
気付かなかった。。。
でも、だって、僕は、
自分の気持ちに、本当に、
気付かず、プロポーズしてて。。。
いや、気付かなかった、のは、嘘。
ただ、友達として、
ずっと好きだったけど、それ以上、
好きだと気付いたのが、
その後だったから。。。
ああ、もう。。馬鹿だな、僕は。。
授業中も、さくらの事ばかり、
考えてて。。。
なんだろう。こんな気持ちは、
生まれて初めてだ。。。
お昼の時間。いつも通り、
僕は、真っ直ぐ、あの場所に。
「琢磨。」
「笹木、あ、さくら。」
「今、また、名字呼んだでしょ。」
「あ、なんか、ごめん。」
「良いよ。別に。はい、お弁当。」
「ありがと、さくら。」
「それで、携帯は?」
「あ、はい。先に交換しちゃう?」
「うん。そうして。」
僕たちは、お互いの、番号や、
アドレスとかを交換して、
やっと、
付き合ってる感じになった。。
「昨日さ、電話番号がわかれば、
空いてる時間とか、打ち合わせが、
出きるよねって、思ったんだけど、
良く考えたら、知らなかったって、
気付いてさ。。」
「あ、はい。確かに。。」
まさか、自分は、浮かれて何も、
考えてなかったとは、言えなかった。。
「ほら、早く食べよ。
琢磨、時間無くなるよ。」
「そうだね。さくら。」
お弁当の中身は、初めて食べた時と、
同じだった。。。
「あ、最初のお弁当。」
「そう。琢磨が、あたしを、
気に入った理由が、お弁当なら、
最初のきっかけだから。。
その、お弁当にした。」
「うん。でも、
さくらを好きになったのは、
多分、ひとめぼれだから。」
「え、だって、隣の席なのに、
知らなかったじゃん?」
「え~とね。コンビニで。。。」
「ああ、なるほど。この眼鏡、
してない、あたしに惚れたのか。。」
「うん。なんかごめん。でも、
お弁当食べて、もっと好きになった。」
さくらは、また、髪を触って、
照れていた。。。
「本当に、琢磨は、恥ずかしくもなく、
そう言う事言うよな。」
「うん。でも、本当の事だから、
僕は、恥ずかしくないよ。」
「ふふっ。まぁ。琢磨らしくて、
良いね。」
「さくら、
ご飯の時間無くなっちゃう。」
「あ、ほんとだ。」
急いで、お弁当を食べて、
教室に戻る。。。
好きな人と、ご飯を食べる。
本当に、幸せな時間だと思った。。。
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