第6話 猫とご飯
あれから、僕と笹木さんは、
ご飯友達として、毎日、ご飯の時間
だけは、一緒に過ごすと言う、
不思議な友達になった。
授業が、終わると、僕は部活。
まぁ、文芸部だけど。。
部活が終わると、僕もバイト。
笹木さんは、すぐに、バイトに。
だから、基本的に、接点が、
あまり無いのだ。
あれから、笹木さんは、
可哀想だけど、クロの外出を、
やめさせて、出掛けるときは、
大きめのゲージに入れて、
出掛けてるらしい。
僕の毎日の楽しみは、
やっぱり、笹木さんの作る、
お弁当と、彼女と、
ゆっくり話せる時間だ。
家の事は、僕が、いくら思った事を、
喋るとは言っても、流石に、
そんな事を、聞くわけもなく。
無難な会話をしているだけだけど。。
今日も、笹木さんとのご飯の時間。。
「琢磨お待たせ。」
「笹木さん。」
「今日のは、唐揚げ弁当。」
「え、朝から、唐揚げ作ったの?」
「昨日作って、お弁当用に、
避けておいたんだよ。」
僕に、お弁当を差し出す、
笹木さん。渡す時の、笑顔が、
いつ見ても、素敵に可愛い。。
「あ、ありがとう。」
いつも、ちょっと見惚れる。
「うまっ。」
「美味しい?良かった。」
「本当に、美味しいよ。」
「まぁ、琢磨は、嘘つかないから、
嬉しいよ。」
「そう。僕だって、嘘くらいつくよ。」
「どんな?」
「んー。例えば、帰るのが、遅い時、
バイトが~とか、部活とか、
理由にしたり。。」
「その程度でしょ。」
「あたしの言う、嘘つきは、
人が、困ったり、嫌な思いをする様な、
そう言う嘘だから、琢磨のは、
カウントされないの。」
「ああ、そう言う嘘。確かに、
僕には、そう言うのはちょっと。。」
「だから、琢磨は、信用してるよ。」
「なんか、ありがとう。」
「琢磨、何か、
好きな食べ物あるの?」
「え、と。唐揚げも、好きだけど、
ハンバーグ。あと、最初食べた、
笹木さんの、卵焼きかな。」
笹木さんは、少し、動きが止まって。
「ああ、卵焼きね。。じゃあ、また、
焼いて来るね。琢磨、ハンバーグ、
好きなんだねぇ。。。じゃ、
近いうち作ってあげる。
ハンバーグかぁ。何か、可愛いね。」
「可愛いかなぁ。。僕的に、
お母さんが、良く作ってくれたから、
好きなのかも知れないけど。」
「ん。今は?」
「仕事、忙しくて、最近は、
お母さんの、手料理食べてなくて。」
「そうなんだ。」
「うん。そう。」
「あ、休憩終わりだね。戻ろ。」
お昼の時間も、笹木さんと過ごすと、
あっという間に、過ぎて行く。。
でも、この時間のおかげで、
僕の毎日は、とても楽しく、
充実している。笹木さんには、
感謝しかない。。。
今日は、僕も、部活がなくて、
そのまま、バイト。
下駄箱で、笹木さんと、会って、
そのまま途中まで、一緒に帰宅。。
「佐々木さん、クロ元気?」
「元気だよ。今度、クロ見に来る?」
「ああ、じゃあ、笹木さんの、
都合の良い時に、誘って。」
「わかった。じゃあ、また明日ね。」
途中まで、とは言っても、
方向が、同じなのは、
ほんの五百メーターくらい。
10分話せれば良い方だった。。
「クロの為に、何か、おやつを、
プレゼントしたいなぁ。。」
独り言を言いながら、僕は歩く。。
僕は、文芸部だけに、本屋で、
バイトをしている。
最近は、猫の本なんかも、
買ったりして。。。
最近は、寝る前は、笹木さんの、
お弁当と、クロが元気かを、
良く気にしている。
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