第5話 猫と病院。

笹木さんが、明日から、お弁当を、

作ってくれる。。。


そう言われた時、そこまで深く、

考えてなかったけど。。。

これって、凄い事なんじゃないかと、

思った。


クロを助けた事は、事実だけど、

実際まだ、助かったかは、

分からない訳で。。。


勿論、助かって欲しいと、

思ってるし。願ってる。

でも、結果が出てないのに、

そんな事を、笹木さんが、僕に、

約束して良いものなのか?

色んな葛藤が、僕の中を、

ぐるぐると、まわっていた。。。


放課後。。。下駄箱で。

僕は、先に、靴を履き替えて、

笹木さんを待つ。

彼女は、先生に、遅刻の理由を聞かれ、

残されていたから。。。


「琢磨。待っててくれたのか?」


「え。と。そうだね。待ってた。」


「ありがと、な。」


「うるさく言われたの?」


「いや、理由を言ったら、

すぐに、次からは、連絡しろって。」


「まぁ、次なんて、あったら、

普通に、嫌だけどね。」


「ははっ。確かに。」

少し、笹木さんの顔が曇った。。。


僕たちは、少し、緊張して、

クロの病院に向かった。。。


病院に着くと、受付のお姉さんに、

顔をしっかり、覚えられていて、


「琢磨さんと、さくらさん、

来ましたよ、先生。」


と、すぐに、先生に伝えて貰えた。。


先生が、「すっ」と現れて、

手招きされて、クロのいる、ゲージへ。


「。。。。良かった。」


笹木さんは、ゲージにそっと、

手を掛けて。目尻に涙をためて、

そう呟いた。。。


クロは、ゲージの中で、丁度、

水を飲んでる所だった。。


僕も、嬉しかった。。クロが、

起き上がって、水を飲んでるのが、

こんなに、感動するなんて。。。


笹木さんを、励ました反面、

昨日のクロが、一瞬死んでる見たいに、

見えてしまって。。

死ぬなと、思う気持ちと、

死んだらどうしようと言う気持ちが、

僕にも、あって、昨日から、

凄く、心の中が、不安だった。。。


笹木さんの、肩に、「ポン」と、

手を置いて。。


「良かったね。」

そう言う僕も、嬉しくて、

ちょっとだけ、涙目になっていた。。


「琢磨のお陰だよ。本当ありがとう。」


笹木さんの、最高の笑顔を、

僕は、貰って、クロの無事を、

心から、喜んだ。。


そして。。

先生から、後1日様子を見て、

大丈夫なら、連れて帰っていいって、

言われて、僕達は、ホッとして、

家に戻った。。


帰り道。。。


「なぁ、琢磨、お金。預り金。

払ってくれてたんだろ。

ちゃんと、返すからね。」


「その事なんだけど、お弁当、

貰っちゃったから、

返さなくていいよ。僕も、

バイトしてるから、お金あるし。」


「そう言う訳にはさ。」


「じゃあ、取り敢えず、お弁当の、

お金が、大体、僕、1日500円って、

決めてるから、立て替えた、

2万円分は、お弁当お願いします。」


笹木さんは、きょとんとして。。


「琢磨が、それでいいなら、

あたしは、構わないよ。。。

本当に、それでいいの?」


「ファイナルアンサーで。」


僕は、右手を、「すっ」と、

笑顔で、

笹木さんに、差し出した。


「わかった。じゃあ、あたしも、

頑張って、作るよ。琢磨。」


笹木さんと、友達の握手。


僕と、笹木さんは、友達として、

一緒に、ご飯を食べる仲間になった。。

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