第4話 猫の恩人。

今日は、笹木さんは、学校に、

遅れてきた。

クロが心配で、朝イチ病院に、

クロを見に行ってから、

通学したらしい。


三時間目の始まるギリギリで、

席に着いた、笹木さん。


ちらりと見ると、目が合う。


昨日の朝とは違い、笹木さんは、

僕に、微笑んでくれた。


授業を、普通に受けて、

お昼休みの時間。


笹木さんに、肩を、つつかれて。。


「琢磨。どうせ、パンだろ。

二人分作ったから、一緒に食べるか?

昨日のお礼も、まだだし。」


僕にとっては、物凄く嬉しい、

サプライズだ。嬉しい気持ちを、

一杯に抑えて、気持ちに応えた。。


「ありがとう、笹木さん。

ご一緒します。」


僕と、笹木さんは、教室を出ると、

僕がいつも食べてる、非常階段に、

場所を移した。。


「結構、風があって、気持ちいいね。」


「うん。僕のお気に入りの場所。」


「そうなんだ。」


笹木さんの、持ってきてくれたお弁当。

そう言えば、僕は、お母さん以外の、

女性の、ご飯って、初めてだった。


「笹木さん、僕初めてなんです。

お母さん以外の人の、手料理って。

本当に、嬉しいです。」


「琢磨。大袈裟に、喜ぶなよ。

照れるじゃん。それに、

そんなに、

大したもの作ってないから。」


「ぱかっ」っと、開けると、

卵焼きに、ウインナー、綺麗に、

彩られた野菜が入っていた。


「わぁ。美味しそう。」


「早く食べて、

昼休み終わっちゃうよ。」


笹木さんは、僕が食べてるのが、

気になる見たいで、たまに、

こっちを見ていた。。。


笹木さんの焼いた、卵焼きも、

ウインナーも、絶妙な、味付けで、

自分で作るのとは違って、

とても、美味しかった。


「笹木さん、凄く美味しかった。

卵焼きは、

自分じゃ作れない味付けだし、

ウインナーも、焼いただけじゃない、

感じがして、

これ、どうやってるの?」


「琢磨、お前面白いな。料理に、

興味あるの?」


「うん。良く自分で、簡単な物を、

作ってるから。自分でも、

こんなに美味しく

出来たらなと思って。」


「そっか。じゃあ、取り敢えず、

明日から、お前の弁当も、

作ってやるよ。」


「え。いいの?」


「まぁ、クロの恩人だしな。」


笹木さんと、食べるお弁当は、

一人で、食べるパンの100倍は、

美味しかった。。。



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